うがいライオン (チューリップえほんシリーズ)
動物園のライオンくん。自分はライオンだから、ライオンらしくあらねばといつもがんばっているけれど、とうとう疲れて、わざとライオンらしくないことなどをしてみるけれど、それで受けすぎると、それもなんだか困ってしまって、またがんばってライオンらしくあろうとするけど、それだと受けなくなってしまって…。
ねじめの「笑い」を長谷川がどう「笑い」絵に仕立てているかを堪能してくださいね。(ひこ・田中)
高円寺純情商店街 (新潮文庫)
3部作だが、すべて気に入って何度も読んでいる。
60年代の商店街の様子が新鮮かつ懐かしく、それに触れたくてついつい手にとってしまう。
なにより主人公の少年にとても好感が持てる。
素直で子どもらしい部分も持ちながら、一人っ子として大人達に囲まれ、商売人の家に育った環境からか、世事に長けた判断もする点がリアル。
おそらく女性読者はこの少年にかなりの確率で非常に好感をもつと思う。
落合博満 変人の研究
プロの世界で大成した人の才能は、東大を出て社会的に大成する以上に厳しい認識眼の持主である。その典型をプロ野球に事例をもとめて書かれた一冊ともいえる落合博満論。著者のねじめは元は巨人ファンで、長島茂雄ファンにして詩人。そして本書の主人公落合も長島ファンである。戦後日本プロ野球史上最高の英雄を尊敬することで、詩人と落合は野球世界を共有し、求心力となって落合野球哲学を描き出す。それも詩人お得意の言葉に仮託した議論が秀逸。落合の舌足らずな言説を、行動と対照させながら、分析し、裏に隠れた真意を暴き出す、見事な分析である。
日本のプロ野球を崩壊させた張本人は巨人軍オナーであり、これを果敢に食い止めようとしているのは落合と中日ドラゴンズ・オナーの白井だ、と歴史的視点で分析するなど、野球愛に満ちた分析は並み居るスポーツ・ライターには書けない名言。非暴力主義者で、冷徹な野球哲学者落合との見事な協奏曲が、ここにはある。その脇を固める江夏、豊田と野球の哲人が見事なソロを奏でた1冊。スポーツ世界の豊かさを改めて認識させる。是非お楽しみ下さい。
谷川俊太郎詩集 (ハルキ文庫)
詩集って、評価がつけにくいものですね。詩の一つ一つに世界があって、色があって、それの集合体ですから。ただきっと、この詩集の中に読む人それぞれの心に響く一作があるはずです。それを探してみるのが詩集を読む醍醐味かもしれません。
個人的には「さようなら」という詩がお気に入りです。朗読しながら泣いてしまうこともあります。自分の生き方に重なるんですよね。
あとがきのエッセイは、中島みゆき(歌手)が書いています。おもしろいですよ! 大学の卒論を谷川俊太郎で書いて、好きすぎてうまく書けなかったそうです。
わがままいもうと
我が家では、小5、小3の子ども達はもちろん、主人もこの絵本の大ファンです。
小学校に絵本の読み聞かせボランティアに行きますが、いろんな学年の子ども達に受けています。
年齢を問わず楽しめますので、家族の団欒にも役立つと思います。
我が子も、このおにいちゃんのように、優しく優しく育ってくれたら最高!!です。