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ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学 (理想の教室)

加藤 幹郎
おすすめ度:★★★★★
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美しい活用法だ
おすすめ度 ★★★★★

個人的に先行研究の使い方が上手だと思うのは 加藤幹郎だ。昔のジョイス論(「キルケ」挿話を中心とした論文 )で、この論文の論旨に関係のある範囲での『 ユリシーズ 』批評を、三段階の批評史にまとめあげていた。これは、この 論文を離れたところでも役に立つチャート だと思う。ヒッチコック 『裏窓』論でも、先行研究 の、そして登場人物の、そして映画観客の「盲点」をついており、かつ、この盲点の指摘こそが『裏窓』を観るという経験の中心になっていた。美しい活用法だ。



シリーズ名に偽りなしを実感。
おすすめ度 ★★★★★

この本は面白かった。『裏窓』で殺人を客観的に証拠立てるショットはひとつもないと著者は指摘。えっ、そうだったんですか?? こういう読みは、本当に楽しい。若島正のクリスティ論を思い出す。『裏窓』見直さなきゃ。《理想の教室》の1冊。 シリーズ名に偽りなしを実感。



面白かったので
おすすめ度 ★★★★☆

「理想の教室」シリーズの1冊である。映画評論家といえば私の場合、蓮実重彦なのであるが、 加藤幹郎は初めて読んだ。これが結構面白かったのですぐ吉田秀和賞受賞作である「映画とは何かを購入してしまった。それだけでなくエリック・ロメールの映画を再度見たくなった。



演出に興味のある人におすすめできる
おすすめ度 ★★★★★

面白かった。ヒッチコックの映画とは「外見と内実の乖離」である、とみごとに評している。ここまで単純化していながら、ヒッチコック作品から離れていない批評は読んだことがなかった。テーマ論におちいって、映画を見てなくても脚本を読んだだけで語れてしまうようなくだらない批評が多すぎるなか、これは快挙だと思う。文章も堅苦しくなく読みやすい。演出に興味のある人におすすめできる。



面白かった
おすすめ度 ★★★★★

面白かった。ヒッチコックの映画とは「外見と内実の乖離」である、とみごとに評している。ここまで単純化していながら、ヒッチコック作品から離れていない批評は読んだことがなかった。テーマ論におちいって、映画を見てなくても脚本を読んだだけで語れてしまうようなくだらない批評が多すぎるなか、これは快挙だと思う。文章も堅苦しくなく読みやすい。演出に興味のある人におすすめできる。


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