概要
足を骨折し目下のところ車椅子生活を強いられているカメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、退屈しのぎにアパートの窓から望遠カメラでのぞき見をしていたために、いつしか殺人事件に巻き込まれてしまう。 コーネル・ウールリッチの短編小説を名匠アルフレッド・ヒッチコック監督が映画化した、今やサスペンス映画の代名詞といっても過言ではないほどの名作。主人公が身動きのとれない状態であることを逆手にとってのさまざまなスリルの趣向と演出が、素晴らしいまでに緊迫した効果を与えてくれている。たとえば彼がのぞき見している向かいのアパートの住人たちは、一切の台詞が主人公まで聞こえてこないので、どこかパントマイム的なユーモアが伴われるが、それが事件の発覚とともに無気味な体裁へと変貌していくうまさ。主人公の恋人役として登場のグレース・ケリーの美しさも特筆ものである。(的田也寸志)
|
|