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僕の村は戦場だった

アンドレイ・タルコフスキー
おすすめ度:★★★★★
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序盤退屈かと思ったものの
おすすめ度 ★★★★☆

 結局最後まで目を離さず見せられてしまった
 
 戦争が少年から奪ったものそしてかわりに与えたもの
 それを利用するもの、対して容赦しないもの
 処刑者調書に付された少年の写真が最後の憎悪のまなざしでこちらを見つめる
 タルコフスキーの戦争への思いのようで痛い



愚かな殺し合いの中でも人の心を亡くさなかった兵士たち
おすすめ度 ★★★★★

文字通り視界に焼きつく数々の戦火の情景。時には唐突、率直な表現ゆえに、目を覆いたくなるほど過酷、容赦がない。これらの描写は趣味的でもなければ、思想をさけんでナショナリズム的高揚感を煽り立てるような類のものでもない――ただ、ただ悲惨。タルコフスキー監督はどんな思いでこの映画を組み立てていったのだろう、真摯に、たとい自らを苛んででも、この痛みを訴えようとしたのだろうかと想定すると、胸に熱いものが。幻覚をみた少年が、つるした軍服に向かってナイフを突き付け慟哭するシーンは、そんな監督の全霊の叫びにも聞こえる。そしてそんな少年を見守る将校たちの、あの哀しみに満ちた、いたわりの心はどうだ……殺戮を繰り広げる人間(おとなたち)に対して、それでもまだ監督達は、兵士たちにあくなき希望を抱いていたのだろうか……。尊い。美しく、尊い思いだ。



この作品に見る日本映画のタルコフスキーへの影響
おすすめ度 ★★★★☆

 この作品は、タルコフスキーの作品の中では、まだ完成度が不十分である。特に、イワン少年の性格が類型的である事とソ連軍を美化し過ぎて居る事は、この作品の決定的な欠点と成って居る。しかし、これは、第二次大戦からさほど年月が経って居なかった当時のソ連の政治社会状況を考えれば、仕方の無い事であろう。そうした欠点にも関わらず、この映画には、多くの美しい場面が有る。例を挙げれば、太陽を背にした破壊された教会の光景や、イワン少年の回想に現れる狐の嫁入りの光景など、タルコフスキーの後の作品を予感させる場面が随所に見られる。特に、この映画に、タルコフスキーが傾倒して居た黒澤明と溝口健二の影響が見られる事を興味深い。具体的には、先ず、上に述べた様に、イワン少年の性格は類型的ではあるが、そのイワン少年が、子供であるにも関わらず、自らドイツ軍との戦いに加わろうとする姿は、『七人の侍』の菊千代(三船敏郎)が、本当は侍でないのに、野武士と戦おうとするのに酷似して居る。(『七人の侍』の野武士が、この映画のドイツ軍なのである)又、そのイワン少年が河を渡ろうとする場面と酷似した場面が『七人の侍』に見られる事も興味深い。
 タルコフスキーは、日本映画を深く愛し、日本人は、タルコフスキーの映画を愛した。私は、その事を誇りに思ふ。

(西岡昌紀・内科医/タルコフスキー没後20年目の日(2006年12月29日)に)



言葉によらない 映像
おすすめ度 ★★★★☆

タルコフスキー映画の入門としては最適であると思う。

 戦争が少年にもたらしたゆがみと悲劇という題材は 決してこの映画の専売特許ではなく 同種の映画も他に散見される。その意味では いくつかある戦場での少年を描いた作品の一つであるわけだが この映画が突出している点は「映像」である点は ご覧になるどなたも お分かりになると思う。

 「水」「炎」「林」という タルコフスキー独自の「映画言語」が既に この彼の初期の作品にも遺憾なく発揮されており まさにタルコフスキーの映画である。
 「水」がもたらす「人間の『輪郭』のあいまいさ」

 「炎」が集める「人間の『思い』の集中」

 「林」が見せる「人間の『狂気』の行き所」

 こんな風に 書いてみても しかし 何も伝わらないのが残念である一方 言葉によらない映像体験が 即ち タルコフスキー映画であるのである。

 是非ご覧になってください。
 



戦争における子供
おすすめ度 ★★★★☆

戦争における子供を描いた作品は多い。戦争はもともと大人が起こすものであり、大人の論理でできている。単純な被害者としての子供であれば別であるが、戦争に参加する子供には、一種の大人の世界の欺瞞が現れてこなければ、かえって不自然だといえる。この映画でも「戦争は我々にまかせておけ」というような大人の発言がある。学校に行けという大人の忠告を振り切って、再度敵地に向かうこの子供は「復讐」に燃えているのだという。この子供は「自分なら子供だから見つからない」ともいう。しかし、いうまでもなく、少なくとも結果的には、大人がこの子供の復讐心を利用しているのである。この映画では、この子供の家族を殺した大人は明示的に触れられているが、この子供を結果的にせよ利用した側の大人については、明示的には描かれていないように思われる。このあたりを、最近の「スターリングラード」に描かれた子供と比較してみてはどうだろうか。作成する者の立場の違い、時代の違いが異なると、戦争における子供の描き方も、微妙に異なってくる。ショスタコーヴィッチの5番を時代を追って聴き比べるようである。


概要
ドイツ軍の攻撃で家族を失った12歳のイワン。少年偵察兵としてパルチザンに参加した彼は、ドイツ軍の情報をソ連側に伝える任務を背負い、衝撃的な末路を迎える。少年の視点から戦争の悲惨さを訴える、当時30歳だったアンドレイ・タルコフスキー監督の長編処女作。原作はウラジーミル・ボゴモーロフのベストセラー小説で、彼は脚本にも参加している。
第二次大戦によって戦場と化してしまう村と、少年が回想する平和だった過去の村。そのふたつが鮮やかなコントラストでフィルムに焼きつき、とくに回想部分は、モノクロながら、のどかな自然の色が浮き上がってくるような美しさ。夢のなかで亡き母と出会い、目覚めた瞬間、現実を目の当たりにして呆然とするイワンの表情はとことん切ない。監督の他の作品に比べると、登場人物の心情やストーリーが分かりやすいので、タルコフスキー初心者にもオススメの1本だ。(斉藤博昭)

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