海難事故の救助現場と言う大きなスケールながら、第1作目に比べてどうしてもリアルさに掛けているおすすめ度
★★★☆☆
海上保安官の潜水士という命懸けの職業の活躍を描く、第2作目。
第1作目では、海上保安官の潜水士になるまでの訓練と爽やかな恋を描き、
その中で、共に訓練を行ってきた仲間の死や、訓練中のトラブルでの絶体絶命など、
海難事故とその救助のリアルさを感じる事が出来た。
本2作目も、海上での船上事故という救助の現場を描き、第1作目よりも迫力あるシーンや、
緊迫したシーンが多数あり、海難事故の壮絶さを感じさせ、
また乗客と仲間の救出を絶対に諦めない仙崎(伊藤英明)や海上保安官の姿、
そして環菜(加藤あい)の仙崎を想う姿には感動せずにはいられない。
しかし、どうしてもリアルさに欠けるシーンが散見され、逆に感動を薄くしてしまう。
救助隊の仙崎と吉岡哲也(佐藤隆太)が乗客で妊婦の本間恵(大塚寧々)と海老原真一(吹越満)を潜水誘導して脱出するシーン、
長時間どうやって素人が潜水出来たのか描いていない。
また船内での環菜への告白。
確かに一世一代のとても大事な場面。
しかし、船が沈没する直前で一分一秒も無駄に出来ない状況で、長々と話しているシーンは
どうしても緊迫感とリアルさを薄めてしまう。
また指令部による船内の救助判断。
確かに最後まで諦めない、救いたいという熱意にはとても心を打たれる。
ただ二次災害を考えると、救助を判断した事が正しいのかどうか、
どうしてもリアルの現場と乖離している様に思えてならない。
確かに映画だから仕方ないと言われればそうかも知れない。
しかし救命救助という命を張った職業の壮絶さを描くのであれば、
リアルな部分はとことんリアルに描く事を追求して欲しかった。
第1作目では、緊迫したシーンや海上保安官の苦悩する姿に疑念が無く、
それがよりリアルさと感動を与えてくれた。
しかし本2作目は、せっかく大掛かりな海難事故という現場を描きながら、
緊迫感とリアルさを薄めてしまう場面が多く、大きな感動に至らない点が非常に残念で仕方ない。
最初から最後まで楽しめます!
おすすめ度 ★★★★★
最初から最後まで一息で見てしまうストーリー展開です。
映像も洋画に負けない位の迫力シーンが多く、非常に楽しめる部分が多い作品ではないでしょうか。
収録時間は若干長めですが、つい時間を忘れて見てしまいます。
個人的にはあまり邦画は見ないのですが、この作品に関しては本当に楽しんで見ることができました。
ドラマを見たことが無い方でも、ストーリーの理解には全く問題無く安心して見ることができます。
概要
恋人の環菜との結婚に悩みを抱いている仙崎大輔。そんな折、鹿児島沖3キロで、乗員・乗客620名を乗せた大型フェリーが座礁。沈没まで4時間と言われる中、大輔は救助活動をするため、パニックとなった船の中へ。ところが爆発により、大輔はバディの吉岡、乗客らと船の中に閉じこめられ出口を絶たれる…。
2004年に映画でスタートし、05年には連続ドラマが作られた『海猿』シリーズの最終章。最終的には大輔ら4人の男女の安否の行方に焦点が当てられていくが、4人にしたことでかえってリアルな海洋事故の雰囲気が出ていて、最終章らしいディザスター・ムービーとなっている。もちろん大輔と環菜との愛の行方などにもスポットが当てられたことで、女性にも見やすい作品となっているのもポイント。デートムービーとしても楽しめる作品だ。(横森 文)