三国志 (1) (潮漫画文庫)
約400年に亘り中国を支配した漢帝国が音を立てて崩壊する、正にその時が三国時代(魏、呉、蜀の鼎立)の始まりであった。約100年間の三国時代の歴史書が陳寿の『三国志』である。余談だが、『三国志』の「魏書東夷伝」(便宜上、「魏志倭人伝」と呼ばれている)には、魏の第3代皇帝、曹芳(曹操の孫の養子)に邪馬台国の卑弥呼が朝貢したことが記されている。
陳寿の『三国志』に脚色を加えて小説化したものが羅貫中の『三国志演義』である。「演義」とは歴史物語という意味である。
日本人に人気のある吉川英治の小説『三国志』(吉川英治著、講談社・吉川英治歴史時代文庫、全8巻)は、『三国志演義』を下敷きにしている。
もっと手軽に『三国志』の全体像を知りたい、その魅力と面白さを味わいたいという向きには、吉川『三国志』をコミック化した横山光輝の『三国志』(横山光輝画、潮漫画文庫、全30巻)を薦めたい。
蜀、魏、呉が覇権を競い合い、劉備、曹操、孫権、関羽、張飛、孔明、仲達等々の多彩な人物たちが権謀術数を尽くして渡り合うところに『三国志』の醍醐味がある。見事なまでに人間が描き分けられている人間学の宝庫、『三国志』から激動の時代の生き方を学ぶことができる。
あなたは、『三国志』に登場する人物の中で誰がお好みですか? 『三国志』ファンには叱られるかもしれないが、私が最も興味をそそられるのは、権謀術数の達人ともいうべき曹操と仲達である。『三国志演義』は徹底して彼らを劉備、孔明の敵役、悪役に仕立て上げているが、客観的な史実に照らせば、曹操は新時代を切り開いた、この時代随一の人物であった。また、曹操は自ら筆を執って『孫子』に注釈を付け、これを大量に筆写させて部下の幹部教育の教科書(『魏武帝註孫子』)とした。さらに、曹操は第一級の詩人という一面も併せ持っていた。例えば、「老驥(ろうき)櫪(うまや)に伏すとも、志は千里に在り」(老いたる名馬は、馬屋に繋がれていても千里を駆けようとする気概を持っている。志高い者は、晩年になっても意気盛んなものだ)という詩には、曹操の心意気が込められている。
一方、仲達は「死せる諸葛(孔明)、生ける仲達を走らす」とからかわれたように、宿命のライバル、孔明の巧妙な戦略に翻弄される凡庸な人物として描かれているが、その実像は最終的に勝利を掴み取り、晋王朝の礎を築き上げた真の戦略家であった。権謀術数の何たるかを学ぼうとするとき、仲達の生き方は非常に参考になる。
三国志 (2) (潮漫画文庫)
僕は、陳宮の登場で、この巻は陳宮に持っていかれたな、と感じました。
十常侍(じゅうじょうじ)という、帝をうまく利用して自分たちの権力欲を満たそうとする10人の悪者。
それに対抗する何(か)将軍。
また、董卓や呂布の登場などなど。
そういうレビューを書こう、と思っていました。
しかーし、陳宮の顔ですべてが陳宮に持っていかれました。
P.375,376の陳宮の顔を見てください。
曹操なんか助けるんじゃなかった、という陳宮の顔をこんな見事に描写できる横山光輝さんはすごい。
感動です。
劇場版アニメーション作品「三国志」 [DVD]
三国志の名場面名場面が
「娯楽性」という観点からみて、
たいへんいい演出をしていると思います。
さすが、数多くのアニメ作品を
手がけてきた勝間田監督といった感。
何度見ても感動します。
三部という長さも、広大な三国志世界を描く上で
ちょうどいいのではないかと思います。
これ以上短くしたら、数多い名場面が欠けてしまうし、
これ以上長くしたら、あまり重要でない場面が入ってきて、
長い長い三国志世界を、変な忍耐で見る羽目になるかも。
「とにかく三国志の大筋を、ただ面白く見たい方」には、
大変ピッタリのバランスがいい作品であると思います。
GamicsシリーズVol.1 横山光輝三国志 第一巻「桃園の誓い」(特典無し)
今更解説は不要ですが、数多ある三国志ものの中で、日本で最も多くの人に
読まれた三国志といえば、この横山光輝先生の三国志ではないでしょうか。
単行本でも何度かよんでいましたが、DSで読めるということで
早速買ってみました。画面は上部の画面に1コマごとに表示され
Lボタンをおすかタッチパネルをクリック、またはオートで
一定間隔で自動ですすんでいきます。
また関連項目や人物詳細、マップなどが随時下部画面に表示され
クリックすると詳細な内容を確認することも可能です。
(おまけにRTSゲームもついてます。)
○良い点
・携帯性・収納性に優れている。
あたりまえといってはあたりまえですが、1枚の小さなカートリッジに
新書サイズで10巻分(文庫本5巻分)の内容が入っています。新書本60冊分を
収蔵できればいうことありませんが、なかなか60冊(30冊)を思い切って購入
できるかたはいないでしょう、小さいということはそれだけで物凄い利点だと
思います。
×悪い点
・コマ割りがわからない。
通常マンガを読むときコマの大きさはコマの内容の重要さと比例しており、
そのことを無意識に理解しながら、ストーリーを読み進めていますが、本ソフトでは
重要な大きなコマも、普通だったら一瞬で読み飛ばすような小コマも等しく
1コマずつ見ていかなければなりません、大コマは画面がスクロールするために
それなりの臨場感はありますが、実際のマンガをページめくってテンポよく
読んでいくのに比べると視認する情報量が増えるため、かなりテンポが
悪く、またその分疲れやすくなってしまっていると思われます。
ということで、文庫本は1冊¥680x5=¥3400 でほぼ同金額になっていますので、
単行本5冊(30冊?)が置けるという人は単純に本で揃えてもよいのかなと思いますし、
逆に単行本の代替として買うのであっても十分価格分に見合ったソフトだと思います。
ということで、自分はテンポの悪さには目をつぶって、
Vol.1を読み終わった後すぐ2と3も購入しました、しばらくは電車の中で三国志づけです。
横山光輝 三国志 DVD-BOX 12枚組 (第1話~第47話)
子供が見ても安心できる作品で、結構勉強になると思う。
三国志をよく理解している大人が見れば、勧善懲悪もの過ぎて、不満が出ることだろう。
赤壁の戦いまでしかないのが残念。
そのあとは、主人公たちに悲劇が重なるので面白くないというコンセプトなのだろうか?
最後までやってもらいたかった・・・。