Mummer
地味で売り上げもぱっとしなかったらしいですが、これいいと思います。
ちょっと気持ちが重い時に癒されます。色でいえば落ち着いたグレイです。はじけたというよりはしっとりと、地に足の着いた感じの一枚。バンドとしても危機的状況下で作られた作品です。彼らの楽曲に実験性やヒット性のみを求めているだけのファンじゃなければきっと気に入ると思います。
アップル・ヴィーナス
XTCはどの時代の作品も素晴らしい。
だけど、このアルバムは別格。
水滴が湖に落ちるような音で始まる
このアルバムの美しさは
時代を超えて評価されるものだと思う。
アンディ・パートリッジの曲は
完璧に計算しつくされ、
隅々まで丁寧に作られた
珠玉のメロディライン。
凝りに凝ったオーケストレーションと
サウンドの作りこみは
『Pet Sounds』の頃の
ブライアン・ウイルソンに匹敵するぐらい
と言ったら言い過ぎか。
でもそれぐらい極めたポップ職人の音楽だ。
そしてどこまで英国らしい音楽。
ポップスの楽しさや気持ちよさが
いっぱいつまってる。
歌詞は意外とシニカルだったり
エキセントリックだったりするが、
「Your Dictionary」の歌詞には
涙腺がゆるむ 。
B-2 Unit
坂本龍一のこれが2ndアルバムだが、
自ら「音楽を壊す」と公言していただけあって、
当時のテクノポップブームに乗ったファンを見事に突き放した内容。
ミニマルやコラージュ等、今聴いても難しい内容だと思いますが、
「セックスの魔力についてのバラード」にインスパイアされたという
名曲「Thatness and Thereness」、
当時YMOのライブのオープニングで演奏された
「Riot in Lagos」等、新規ファンはチェックしておくべき内容です。
できればこの作品の前に出ていたシングル「War Head」と
後に出たシングル「Front Line」をボーナストラックとして
収録してほしかったが・・・。
Black Sea [2001 Reissue]
XTCのアルバムは、他のも含めて、CD化されたときに、当時発売されたシングル盤のB面等が間に挟み込まれていて、ファンとしては貴重な音源なのでありがたいのですが...そもそもの完成度が損なわれます。
この版では、追加曲が後にまわされて、オリジナルの曲順に戻っているので5つ星です。