スカッとしたい時にオススメできない、毎朝の通勤ラッシュのような、有り難さと仮面の下の喜怒哀楽たちを突きつけられる、そんな名作。R35指定の道徳の時間。決して欠伸をしないで下さい…
皮肉社会アメリカが創った、超一流のアイロニー映画おすすめ度
★★★☆☆
まさにTHE アメリカって映画であって、女性の自立が謳われた公開当時ならともかく
今の逼迫した現代社会の流れの中でみると、どうにもチッポケで、薄っぺらい作品なんだよな。
とにかくアメリカの描き方ってのは、必ず女性側に肩をもたせておいて、実のところ伝えたい
のは真反対の内容だったりする。僕は、このアメリカの精神風土を日本にもってくるのは
とても危険だと思う。この映画は所詮、父系社会のアメリカが作った皮肉にすぎない。
実際問題今の時代になればアメリカは、とうに男女平等を否定する側にまわってる。まったく
もって皮肉すぎる。これを感動作だなんて呼ぶ人間は、少し人間として生きる上での本当の
幸せについて見つめ直したほうがいい。そして日本はアメリカと逆の母系社会な所、そして
そうなれば必然向かうべき道ってのは、いっしょではない。
まあ、ただダスティン・ホフマンの情が滲み出るような演技を含め、俳優陣、演出の仕方は
さすがとしかいいようがないけどねー。
男女平等の社会おすすめ度
★★★★★
子供を育てるって自分に嘘をつかなければいいんだって気付きました。子供と面と向かって向き合うことができない親が多いこの日本、今この時代だからこそ見る価値がある映画だと思います。そして生きていく意味を見つけるって大切なことだと思いました。女性は結婚すると家庭のことだけをやるようになってしまうのがまだこの時代多いと思います。でも女性にも生きがいややりがいの感じることがあるのが普通だと思います。そんな本当の意味での男女平等の世の中が来ることを望みます。そしてこの映画は語りかけてると思います。
ダスティン・ホフマンの演技が秀逸おすすめ度
★★★★★
夫のテッド(ダスティン・ホフマンさん)は家族のためと言いつつ、家庭を顧みずに仕事に没頭する。一方、妻のジョアンナ(メリル・ストリープさん)は自分の夢を捨てて主婦に徹した自分の人生を見詰め直すために家を出る。残されたテッドは、息子のビリーの育児と仕事の両立に四苦八苦しつつも、父親としての自覚が芽生え始める。そんな中、ジョアンナがビリーの親権を求めて裁判を起こす。法廷ではどちらが親として相応しいかが焦点になるが、その過程で子供にとってはどちらも大切な存在あることに気付かされる…。
本作のラストではテッドとジョアンナの2人の関係が今後どうなるのかをあえて曖昧にしており、このことが作品にリアリティを与えていると思います。演技面では、テッドが仕事と家事の両方を抱えてイライラしている様子を、ダスティン・ホフマンさんが見事に体現しています。とくに、朝食時に慌ただしくフレンチトーストを作る際の緊迫した雰囲気や、夕食時にアイスクリームを食べようとするビリーを叱りつけるシーンなどは見事。一方、メリル・ストリープさんは、テッドに家を出たことを責められては泣き、法廷で弁護士の追求を受けて泣き…と思わず同情したくなるような華奢な女性を見事に演じています。父親と母親の2人で子供を育てることが家族の原点であり、また子供にとっても最も大切なこと。そのことを再認識させてくれる作品です。
リアリティのある子供の描写がうまい
おすすめ度 ★★★★★
メリル・ストリープ扮する母親が突然出て行ってしまう理由や、後半で突然子供の親権を主張しに来る経緯がよくわからなかったが、むしろ母親側の事情を描かないことで観客は父子の関係のみに集中でき、結果としてこれで良かったのだと思う。
映画やドラマを作る大人たちが創造する子供像は、異常に大人びていて聞き分けがよく、普通の子供が絶対に言わないようなセリフも多く、不自然なことが多いが、この映画では子供は普通にわがままで、親に反抗的で言動にリアリティがあった。演じるジャスティン・ヘンリーも見事な名演だったが、これだけ上手い子役に喰われないで演じきったダスティン・ホフマンは凄い。「真夜中のカーボーイ」「パピヨン」「レインマン」などくせのある役どころが多いホフマンだが、普通の職業の父親役でも演じきれたこの作品は、彼の演技のベストであろう。