落語の雷門 獅篭に「も」期待おすすめ度
★★★★★
ある本屋では、「人文」に分類されていたように、名古屋をよく調べて取材している。著者の在住歴からして、普通の生活で知ったり経験できる範囲の情報だけではないので、生粋の名古屋人、50歳代の小生が読んでも新鮮さがあった。それは、ネタの良さだけではなく、名古屋に素直さとある種の敬意をもって生活している著者の感性によるものでもあろう。
ただ、「名古屋で3人しかいない落語家」を、希少価値だけで自分を売りこむキャッチフレーズにしないように注文したい。この本にも、落語家としての著者による名古屋の落語事情発見が描かれていない。「大須演芸場」は頻出するが、この寄席の事情をもって名古屋の落語事情と読者に思わせないでほしい。プロは3人だけだが、はるかに力量のあるアマチュアの精力的な活動や、地域寄席を含めて東西の落語家が切磋琢磨する地でもあるのだ。
ただの「名古屋本」としてでなく、落語家・雷門獅篭の本としての期待をもって読んだ者の期待と注文である。
名古屋を知らない人の方が面白いんじゃないか。
おすすめ度 ★★★★★
九州の田舎出身、関西在住の主婦です。
田舎を出た大多数の同級生は、東京や大阪や福岡に暮らして
いますが「名古屋」に暮らしている人は一人しか知りません。
田舎から出て行くには若者の憧れになりにくい名古屋。
関西圏からはわざわざ観光に行くまでもなさそうな名古屋。
でも何かがありそうなミステリアス名古屋。
私の中で名古屋はそんな存在でした。
せっかく万博に行くのならと思って手にとったこの本。
名古屋未経験の人なら、ほかの観光案内誌を購入する前に
ぜひこの本を手に取るべきです。
この本は関東出身で名古屋に三人しかいない落語家さんの一人、
つまり「よそもの」による斬新な視点で書かれています。
電車の中で読んで噴出して、変な人にならないでくださいね^^
読み終わる頃には、具体的に名古屋のどこへ行こうかなと
うきうきしながら計画がたっていることでしょう。