木造迷宮6 限定版(リュウコミックス)
通常版よりも少し高いですが、限定版の方を買っても後悔はしないと思います。そして先に小冊子から読むことをお勧めします。
限定版付属のオリジナル同人誌では女子高生時代のサエコさんとその周辺が描かれています。
表紙からも分かるように、かなり引っ込み思案な女の子だったサエコさんの初々しい恋は少し切なくもあります。
しかし、その後で本編を読めば、ダンナさんと実質デートな買い物の件で「まだ恋は終わってないのねぇ」と微笑ましくなれること請け合いです。
ダンナさんはダンナさんでヤイさんに甲斐性を見せたり、落ち込んでいた喫茶店のウェイトレスの娘を元気づけたりしています。
普段は情けないのに、要所要所で罪作りな男です。同人誌の過去編でビミョーにイケメンだった名残かもしれません。
それでもダンナさんなら仕方ない、と思わせるあたりがこの作品の優れた所なのでしょう。
みんなの人柄、懐かしくもうるさ過ぎない背景、ゆるやかなストーリー、この漫画に読み手を疲れさせる要素はありません。
カバー裏だけが、ほんのちょっと刺激的でした。
マンガ はじめて家を建てました!―いちばん最初に読む家づくりの入門書
あべかよこさんの大人視点で
住宅販売会社のコミュニケーション突っ込み、
夫婦との共同活動のコミュニケーション、
ご両親とのコミュニケーション等が、
リアルに面白く記載されています。
ただ家を建てるいう、いわゆるノウハウ本の中に掛けている
血潮の通った人間関係が非常にリアルに表現されいて
家を建てる以外でも30代からのエッセイマンガとして
一読をお勧めします。
もちろん、家を建てるにあたっての
ノウハウ、不動産販売の裏等も
お得な情報も満載です。
なにより、小5の娘が読んで、
「お母さん、自分で建てた方がいいねー」と言ってました。
それほど、面白く分かりやすいです。
自分のお気に入り本棚の中や、
友達の誕生日などにプレゼント出来る
新しい形のエッセイマンガです。
木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 (小学館文庫)
西岡棟梁の名著、『木のいのち木のこころ』の2年前の作品です。
『木のいのち木のこころ』の頃の西岡棟梁の言葉が丸くなり、非常に普遍性を増しているのに比べ、この本はより彼個人の語り口に近いものとなっています。しかし、珠玉の言葉のオンパレードです(!)
一つ一つの仕事(法隆寺の修理、薬師寺復興など)について詳しく語られています。彼の仕事はもちろん飛鳥建築が主体です。
建築的・職人的な話がメインですので、建築を志す人、建築で仕事をしている人、職人とは何か知りたい人、日本史を志す人にとっては、素晴らしい教養本になると思います。(古い歴史の解釈について、彼と学者の間で激しい論争があったようですが、現在にいたっては西岡棟梁の言葉が本当であったとほぼ認められてい!ます)
そして何よりこの本の本質は、それらの話を通して、現代人の忘れてしまった(昔の日本人にはあった)「自然から、道具から学ぶ姿勢」というものを思い出させてくれるような気がします。