「頭山」山村浩二作品集 [DVD]
前の方が詳しくレビューされているので物語の詳細や山村浩二さんの素晴らしい業績等は割愛させて頂きます。本作は同氏の作品集としては勿論、『カフカ 田舎医者』の表現に至る過程を見ることができる貴重な作品が詰め込まれています。ただ見るだけではなく、珠玉のコレクションとして永く手元に置いて鑑賞する逸巻だと思います。
相棒 Classical Collection=杉下右京 愛好クラシック作品集=【HQCD】
巷で特集されているイージーリスニングの品々と比べても遜色ありません。素晴らしい選曲と情緒あふれる演奏の数々に酔いしれてしまいます。
劇中で挿入されている音楽なので、それぞれのエピソードによっては思い入れの強い楽曲が多いですね。アルビノー二のアダージョはよく耳にしますし、年末に特番で組まれる事が多いせいか第九の4楽章も毎年末愛聴出来ます(笑)
個人的にはガブリエル・フォーレの“エレジー”が一番好きで毎日聴いています。S4の【殺人セレブ】や【告発の行方】で引用された時には全く印象に残らず、S7の【顔のない女神】のラストに聴いた瞬間に閃光の如く胸に鳴り響いて感銘を受けた。多分ゲスト出演した清水美沙さん演じる伊澤ローラというDJの、ラスト犯行に至る経緯を語るシーンがあまりに現実味を帯びた熱演だったせいもあるかもしれませんが・・・この曲はこの哀しくも孤独な女性の救済のための楽曲なのだという勝手な解釈をしてしまう程このラストシーンに相応しい名曲選でした。チェロの弾き語る旋律が美しい美曲です。あとはS2の【白い罠】のラストシーンを飾ったシューベルトの“冬の旅〜幻の太陽”です。静かで聖なる救いの手のようなストーリーに寄り添うような、聖域のような心境を代弁した素晴らしい名曲。
杉下右京警部を気取って紅茶片手にゆっくり愉しむも良し、空いた時間にちょっとBGMに聴くも良し。相棒fanではなくとも、手元に一枚置いておく価値のあるセレクションです。
円環少女 (角川スニーカー文庫)
少女魔導師メイゼルは、元の世界で罪を犯したため、《この世界=地獄》に堕とされた。《神》が存在しないこの世界では、自然現象だけで秩序の釣り合いが保たれ、地獄人が観るだけで、魔法は崩壊する。ここで、メイゼルは、敵を百人倒さねば自由になれない...
最初は、設定が頭に入らず、世界についていけなくて、結構苦しみました。ある程度読み進んで初めて面白くなってくる本です。読み終わると同時に、「頭からもう一度読み直そう」と思いました。私の頭が悪いせいかもしれませんが、2度目のほうが面白いだろうなぁ、たぶん。
ただ、新しい魔法体系として面白いですし、登場人物も魅力的。次巻も期待大です。