スティーヴン・スティルス
このアルバムは、CSN&Yの人気絶頂期に発売され、ゴールド・ディスクに認定されている。さまざまな音楽スタイルに挑戦したスティルスの最高傑作であろう。参加ミュージシャンもエリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリクス、リンゴ・スターなど豪華そのもの。
デジャ・ヴ・ライヴ
2006年のCSNYツァーのサントラ盤。映画のDVD日本盤が待ち遠しいが、DVDとの収録曲の数等の異同は不明。しかし、映画「ラスト・ネヴァー・スリープス」とサントラ盤「ライヴ・ラスト」の関係のように、本CDだけでも充分CSN&Y、特にYのエネルギーが伝わってくる痛快な作品だ。何しろ、M2、M16を含めて収録曲の約半分がニールのアルバム「リヴィング・ウィズ・ウォー」の曲で、バック・バンドも同アルバム制作時のメンバーを起用している。このアルバムの音の疾走感、自国が戦争中なのに反戦を訴えない若手に手本を示すかのようなメッセージ性、社会と切り結ぼうとする強いニールの意志に共感を覚える人なら、本作も気に入るだろう。荒々しさに分厚いコーラスが加わり、「リヴィング・〜」の曲はどれも素晴らしい演奏だ。CSN(Y)の曲もそれに引っ張られて力強い。M1は聴衆との合唱だけ。原曲より約3分長くなったM6やM9はエレキ・ギターを多用してロック色が強く、M14もアレンジが少しアーシー。一番懐かしさを感じるM15では今の時代を背景にして歌詞に新たな意味づけを意図しているかのようだ。
本作は「4ウェイ・ストリート」のロック部分が大半を占める作品だと考えるとイメージしやすいだろう。「リヴィング・〜」の主要曲の合間にCSN(Y)の名曲を嵌め込んだ、全体で1つの壮大な「リヴィング・ウィズ・ウォー」組曲と捉えるべき21世紀の作品だ。そして静かなピアノにシンセ等がかぶさるスタジオ録音のM2、M16が作品全体を引き締めている。
「リヴィング・〜」の曲が中心でありながら、ニールのエレキ路線の佳曲「フラッグス・オブ・フリーダム」が収められていないのが残念。それにしても、06年の時点で歌詞にオバマ氏を登場させたニールの予言者ぶり(M10)には改めて驚く。
スティーヴン・スティルス&マナサス [DVD]
CS&Nなんて!…と偏見を持っていた私。でも大好きなJoe Walshが一時期Stephen Stillsに傾倒していたと知り、俄然興味がわきました。加えてこれまた大好きなピーター・バラカンさんもStillsのことを絶賛していたのでこりゃあ、聴かねば!と思いました。
このDVDはStillsがManassasというバンドを率いていたときに出演したドイツのテレビ番組を収録したものだそうで、70年代らしく訳のわからない背景がちかちかしてちょっとサイケ過ぎやしないか?と思うのですが、それはそういう時代という事でがまん。
音楽の方はもう最高なんです。Stephen Stillsがこんなにかっこいいとは思いませんでした。何もかもかっこ良いのです。歌も声もギターも顔も仕草も!今では普通のおじさんになっている気がしますが、若い時の彼は本当にかっこ良いです。
バンドの面子もすごいらしいですね。ギターのChris Hillmanしか知らなかったけど。
長い間Stillsのことを聴かずにいたのは、CrosbyとNashのせいだ!と少し恨んでしまいました。これからStillsにはまろうかと思います。ものすごいお勧めでございます。
ベスト・オブ・ミュージック・ラーデン・ライブ [DVD]
ゆすぶられる魂とは陳腐な題名をつけてしまったが、そうとしか表現できない激しさが襲ってくる映像である。
映画にもなって、ご存知とは思われるがこのころのティナ・ターナーはアイクの暴力に悩まされいる、まさにそのころのものである。
そんな家庭的な悩みなどちっとも感じさせない、(そういった悩みがあるからこそなのか?)激しく体を動かしながらも、ちっとも疲れを感じささせないエネルギーは、僕たちに原始のころの感情を思い起こさせる。歌っているときだけが本当に幸せだったとおもうのだが、そのよろこびがそのまま伝わってくるのである。まるで、太鼓のリズム合わせて自然に溶け込んでゆく心地よい世界へ彼女の歌が導いてくれる。
プラウドメアリーなどは、後期の方が確かに洗練されているとおもうのだが(このころのおどりは単純で時としてはユーモラスな印象さえある)バックのコーラスと(本当に)必死で歌う姿を見ていると自分がそのコンサートにいるかのように思って、知らず知らずのうちに同じように体をゆすっている自分がいて子供に笑われたりする。
どこかで、どうでもいいから、もう一度生で見てみたいと思わせるコンサートだった。
Stephen Stills
時代、世代を超えて聴けるアルバムだと思いますよ。このソロ1作目までの彼のキャリアを総括するかのようなバラエティのある楽曲、そして味のある彼のギター、オルガンは大好きです。
またこのアルバムには多くのゲストが参加しており、かつそのヒューチャーの仕方が素晴らしい。目立つところでは4のジミ・ヘン、5のクラプトンだろう。ジミ・ヘンにしては抑えたトーンではあるが、独自のフレーズでスマートに?暴れている。そしてクラプトンだが、セカンド・リードとはいえこの時期これだけコンパクトに「しなやかに流れるフレーズ」を注ぎ込んだ曲は自分のアルバムにもないんじゃないかな。クラプトンファンだったらこの1曲のために買っても正解だと思いますよ。ステファンのセカンドソロアルバムにもまた1曲クラプトンが参加してますので要チェックですね。
とにかくこの後結構ソロアルバムを作ってはいますが、このファーストは彼の最高傑作と言っていいのではないでしょうか。おすすめです。