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バガージマヌパナス―わが島のはなし (文春文庫)

池上 永一
おすすめ度:★★★★★
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読んでいる電車の中で涙がでて困りました。
おすすめ度 ★★★★☆

初めはわがままな綾乃の存在がうっとおしく「読み通せるかな」と思いましたが、
最後の方でオージャーガンマーが「子どもを生まなかった自分は年をとっても子どもだ。年をとった子どもなんてきもちわるいよねぇ」と自分の人生を振り返るセリフにぐっときました。



笑って泣けるお話
おすすめ度 ★★★★★

読んだ後、亡くなった身内のことをいっぱいいっぱい思い出しました。楽しく笑えるお話、そして先祖に感謝する気持ち、故人を想う気持ちの大切さをリマインドさせてくれるステキな小説です。



私の島の話。
おすすめ度 ★★★★★

おばぁがイイ味出してる沖縄の話、というと「ちゅらさん」を挙げられる方が多いでしょう。でも私が断然オススメしたいのはこの本!「ちゅらさん」で描かれる沖縄には正直戸惑いしか覚えなかった(「本土からみた沖縄像」のお勉強にはなりました)私ですが、この本は素直に楽しめました。

潮の香をはらむ湿った風の渡る島、独特の年中行事を営々と続ける地方共同体の、ともすると窮屈な暮らし。廃止の声が上がるも立ち消え、いい悪いは別として未だ厳然と残る民間信仰(ユタ)。復帰後進んだ開発により海は遠いものとなり、宅地化が進んだ私の家の近くのさとうきび畑はすっかり消えてしまいました。しかし変わらないものもあります。お盆ともなれば、室内には仏壇に捧げられた果物のとろんと甘い香りと、お線香の混じった濃密な香りが満ち満ちます。そして遠くから響くエイサー太鼓。あちらの世界と対話をする人々を特段奇異に見る事もありません。事例によっては、家裁でユタの言葉が交渉カードになることも。

この本は、ファンタジーと銘打っていますが、ちょっと前の沖縄か、また今もどこかにあるかもしれない沖縄の生活の匂いがします。
沖縄はどんなところだろう?と興味をお持ちの方、ガイドブックと共にこの本をオススメします。……おばぁがサンシン弾いてる場面は、期せず涙がこみ上げました。Okinawa'CDをBGMにご一読下さいませ。



ユタ(巫女)を生活の中から見る
おすすめ度 ★★★★★

この本はガジュマルの木の下で
自由奔放な綾乃と強烈な個性を放つ老婆オージャーガンマー
いつものユンタク(おしゃべり)からはじる

沖縄の方言、風土、風俗が二人を中心とした物語の隅々にちりばめられているので自然と頭の中にはいって溶け込んでくる

物語が良かったことはもちろん私は学術書とは違う小説という形で沖縄の雰囲気が生き生きと伝わってきた事が何よりだった

沖縄は信仰や風俗の観点から研究対象にされている事が多いが、
それらとは違う何かがここにはつむぎだされていた
特に物語にはユタ(巫女)という沖縄独特の信仰が描かれている。

ただ神秘的だとか、学術的に貴重だとかいうのではなく
そこではどのように民衆の中にユタが関わっているかということ、
また、ユタになる側はどんな気持ちかなんてことにも想像が膨らませる事もできる。

作者の描写力ある表現で頭の中は爽やかな潮風、暗闇や満天の星でいっぱいになりながら一気に読んでしまった一冊です


☆ オキナワの風がキラキラしているような ☆
おすすめ度 ★★★★★

普段はぼけーっとしているけど、やるときゃやるさぁ!の自由奔放な
マイペース女・綾乃と、天真爛漫、純真無垢の女・オージャーガンマー。
ふたりの周りでわらわらと巻き起こる騒動、珍事の数々や、沖縄の島の方言を
盛り込んだ会話に、どひゃー、ぐわぁーと叫びながら、くつろいだ気分に
浸っていました。

物語に吹いている風、行間から聞こえてくる三線(サンシン)の音。
のんびりしたおおらかな気分が漲っていて、気持ちよかったな~~。
琉球民謡の「テーゲー テーゲー テーゲーヤッサ」(楽に生きましょうね、
楽にね)の歌詞が、すごく気に入りました。
「風の吹くまま、気のむくままに  生きて 生きてみたいのさ」


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