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フィンランドはどこですか?

谷山浩子
おすすめ度:★★★★★
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ヘンテコと美しさは同時に存在する
おすすめ度 ★★★★☆

ヘンテコだという方と美しいという方と分かれているようなのでまとめてみました。美しいです。
全体に純粋で老成した感じでしょうか。04と08はすごいわからずやとでも付き合ってたのかなあとも思いましたが。
まもるくんも変な歌詞ではあるんです。ただとても美しい曲となっていてそこに何の矛盾もない。ほんの少し悲しげかも知れない。
01は微笑ましい。実際のフィンランドより観念上のユートピア的楽園か。
そしてなにげに陰陽座が参加してて吹いた。



素晴らしい恋の歌ばかり。
おすすめ度 ★★★★☆

谷山浩子の良さは言葉で説明するような(説明できるような)ものではないのですが、今回の素晴らしさを少し。

『放課後』が素晴らしいです。「好きだ」とも「愛してる」とも「恋」という言葉すら使わずに、実に見事に「恋」を表現しております! 綺麗なピアノの旋律に合わせて、泣きたくなるくらい切ない、恋の歌。
『人魚は歩けない』も同様に、上記の言葉はひとつも出てきませんが、それでも相手を思う切なさに胸が締めつけられます。「会いたいハタハタ〜」のとこはキュンときます(笑)。
『タイタニア〜』も『石の恋人』も、ファンならおなじみ、堪まらない曲です。

『まもるくん』はお得意の不思議ソングですが、聴いているとこちらもなりたくなってしまいますね(笑)。

小室等氏とのハーモニーもステキな一枚ですが、
噂の中島みゆき氏との合作は……何とも普通の仕上がりで、意表をつくものがなく、さら〜っと流れてしまう感じがしました。曲も詞も悪いわけではないのですが、やはり個性が違うのだな、という感じでしょうか。好きな人は好きかもしれませんが。

ファンの方なら、裏切られない一枚だと思います。
ファンではなくても、直球で素直なラブソングに飽きた方は聴いてみると新たな世界が開けるかもしれません(笑)。



「ヘンテコリン」
おすすめ度 ★★★★★

ああ、もう直球でヘンテコリンなアルバム。
ヘンテコではなく、リンがついてヘンテコリン。
ヘンチクリンでもない。ヘンテコリン。

90年代のアルバムにありがちだった
「サウンドを作りこみまくって凝りまくって」といった力んだ感じはなく、
全体的にわりとさっぱりとしたシンプルな風味のサウンド。
だからこそヘンテコリン風味がなおのこと際立っています。

谷山浩子の歌の中では「ドッペル玄関」がもっともヘンテコリンだと思っていましたが
(それ以前は「ハサミトギ追いかけて」だった)
あれも人間の心の表裏として受け止めてみるとわからないでもない歌詞です。(ほんまか)
谷山浩子に共通するテーマとして、自分が感じるのは
「心の窓」、あるいは「心の窓を通して見た風景」なので
「ドッペル玄関」もその延長上だと解釈できてたのです。

しかし、しかし今回のアルバムの、「まもるくん」は……
これどうしたらいいんでしょう。

「カントリーガール」の「4番」の歌詞の解釈について
ファンの間でいろんな説・議論を巻き起こしましたが(?)
「まもるくん」にいたっては説の立てようもない。
民謡風&子守唄風のシンプルなメロディーに
「COTTON COLOR」で使われたコロンコロン・・・という効果音が混じり、
そこへ相曽晴日&岩男潤子の、不気味と可愛いの紙一重のコーラス。
そして歌詞。「なんじゃこりゃ」と言うのも忘れるほどの歌詞。
ああ、レビューし切れない。この感じは聴いてもらうより他ない。

(個人的な「まもるくん」のイメージはムーミンの「ニョロニョロ」)

ところで、なんとなくふとした予感(期待?)がするのですが、
……谷山さん、そろそろ「GO GO マリオ!」をCD化しようと思ってません?
ここ最近の作を見てる限り、あり得そうで……楽しみでいて、ちょっぴり恐い(笑)。

(※追記……他の方のレビューを見ずに書いたレビューなので、
書いてる段階で他の方が「ヘンテコ」と表現なさってた方に気づきませんでした。
「ヘンテコリン」を強調したのは別にその方を否定した訳ではありませんので
ご了承ください。失礼しました。)



肩の力が抜けた円熟味
おすすめ度 ★★★★★

前作と比べると、シンプルで谷山さんの歌声とピアノが魅力的。もちろん、「フィンランド」「まもるくん」といった変な曲も健在。名作「窓」に通じる「放課後」が一番のお気に入りです。小室等とのデュエットや中島みゆきとの共作も渋くてgoodです。谷山さんの魅力満載なのに、肩の力の抜けた円熟味が程よい1枚です。



これは夢の破片か!?シュールの極みを集めた、唯一無二の世界
おすすめ度 ★★★★★

NHK『みんなのうた』での数々の楽曲や、映画・ゲド戦記の主題歌「テルーの唄」の作曲者として知られる、
美しいメロディーラインと歌声、メルヘンチックな世界観が特長の谷山浩子・34枚目のオリジナルアルバム。
谷山浩子の活動35周年記念作品という事で、縁のある人を招いて制作されたそうで、
小室等がサイドボーカルで参加していたり、橋本一子がアレンジで参加していたり、
中島みゆきが詞を提供していたりするのだが、その中身は、どこをどう切り取っても「谷山浩子」な感じです。

このアルバムを一言で言い表すなら【ヘンテコ】でしょうか(笑)
だって、『フィンランドはどこですか』というアルバムタイトルからして「なんじゃそれは!」って感じですから。

この人の楽曲には、いわゆる【電波系ソング】と呼ばれる、毒を含んだシュールなものも多いですが、
このアルバムではソッチ系の曲が目立っていて、聴き進む程にその世界は怪しく深く美しくなっていきます。

「人魚は歩けない」「まもるくん」・・・曲タイトルだけで、もぅお腹一杯な感じですが、内容も強力!
特に「まもるくん」はゆったりした曲調で『みんなのうた』っぽいホンワカした曲なのに、詞が不気味で怖っ。
「終電座」は最終電車をモチーフにした曲だが、最後には谷山浩子にしかイメージし得ない・作れない、
とんでもない世界(日常)→(非日常)に展開していく曲で、もぅ目の前がクラクラ〜。
そして、そんな間に挟まれたラブソング「放課後」「きみのそばにいる」はより美しく儚く聴こえる。
中でもラストに置かれた中島みゆき作詞の、人が人を想う姿を雪虫に喩えた「雪虫-Whisper-」は心に染み入ります。

このアルバムは中毒になりまっせ〜。
谷山浩子をあまり聴いたことない方には、少々キツいアルバムかも知れませんが、あえて言います。
【必聴盤!】


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