『ファンクラブ』の内向的な雰囲気から一転、全体的に開放的で聴きやすいメロディが揃っています。1曲目がセレモニーのような『ワールドワールドワールド』で幕を開け、最後の『新しい世界』の「もっと広がっていく」希望を持たせるような曲の位置といい、コンセプチュアルで、新しいアジカンを「まさに」表現した最高のアルバムです!
いい!おすすめ度
★★★★★
レビューを書かれている方のほとんどはこれまでのアジカンを知っていて、シングル・アルバム共に聞き倒していると思いますが、僕はこのワールドワールドワールドで初めてアジカンのアルバムを買いました。
これまでに発売されたシングルはタイアップ曲だけ聞いていたし、アルバムを聞くほどハマってもいませんでした…
アフターダークをレンタルした時についでに借りたフィードバックファイル(カップリングのベスト版?らしいですね)を聞いたとき、何で今までハマらなかったんだろうと疑問に思うくらいアジカンが好きになりました。それから順番はめちゃくちゃですが、崩壊アンプリファー、ファンクラブ、ソルファと聞きまくるようになりました。ワールドワールドワールドも大好きなアルバムです。
好きな曲はナイトダイビングと惑星です。
このレビューを書いているのは2008年の5月20日でワールドワールドワールドのレビューにしては遅いですが、来月アジカンの新しいアルバムも出るということで、ただの応援レビュー?ということで書かせていただきました。
余談ですがフィードバックファイルでハマったフラッシュバックと自閉探索がどうしても聞きたくて、唯一聞いていなかった君繋ファイブエムを買いました。明日届くので楽しみです(*^_^*)
作品名に相応しい壮大さおすすめ度
★★★★★
アジカンは作品を発表するたびに、その世界観を着実に拡大させてきましたが、今回の作品はそのような歴史の中でも一番の広がりを獲得しています。1stアルバムとは同じミュージシャンだとは思えないほど、サウンド・アプローチが本当に多彩になり、だからといって彼らの持ち味である、爽快なディストーションサウンドとメロディが失われたわけではなく、むしろそれらを中心に据え、それらを取り巻く色彩の自由度を大きくアップさせています。今作では特に、喜多氏のギター・アプローチが爆発的に広がったことが大きく作品の芸術性の向上に貢献しているように思われます。ここまでのギタリストになるとは誰が思えたでしょうか?アジカン史上のみならず、この10年間を飾る一枚になるのは間違いなしです。文句なしの☆5!!
「歌詞」に救われてきた事は沢山あるけど
おすすめ度 ★★★☆☆
一体どういう方向で記事を書くべきか迷いに迷った一枚。
僕のレビュー一覧をご覧いただければわかるように、僕自身が聴いている音楽は9割以上が洋楽である。
でも僕は英語は理解できない。
つまり僕は音楽を聴く上では必ずしも歌詞に意味を持たせる事を重要視してはいない。
結果として洋楽の歌詞カードを開いて歌詞の意味までも含めてアーティストの気持ちを理解するケースは稀であるし、歌詞の全てに意味を求めてしまえばoasisの様なバンドは聴くに値しないという評価になってしまうだろうし...。
しかし、逆説的ではあるが決して歌詞の重要性を軽視している訳ではない。
ジョンレノンの歌詞には多大な影響を受けてきたし、oasisの初期の歌詞は僕の人生の指針であったとも言えるだろう。
ここまではあくまでも洋楽に対する僕のスタンスであるが、邦楽になると少しだけ考えが変わってくる。
そう、歌詞カードを開かずとも歌詞が理解できてしまうからだ。
これは僕自身の見解であるが、ただの詩ならばまだしも、歌詞には限界がある様な気がしてならない。
例えばMr.Childrenは非常に素晴らしい楽曲を提供し続けるアーティストであるが、歌詞だけをとってみれば「貴方を愛している」といった表現を一体どれだけ使った事だろう。
結果的に僕が洋楽だけを聴く事が多くなってしまったのは、こういう点もあるかもしれない。
(当然、英語が理解できれば洋楽の歌詞にも同じ事が言えるだろうけど...。)
それではアジカンの今作に対する僕の見解を述べよう。
このアルバムがある特定のコンセプトに基づいて作成されたコンセプトアルバムであるのは疑いようがない。
故にこのアルバムにおける「歌詞」の世界は、日々の生活の中で気にもとめない(または、そのフリをしている)事を堂々と表現している。
その勇気に対しては感嘆の意を述べたいと思う。
でも、歌詞だけが素晴らしいのであれば歌詞カードだけを見ていればいい。
誤解がないように再度書いておくが「歌詞」に救われてきた事は沢山あるし、これからも素晴らしいメロディにのった素晴らしい歌詞を見たいのだ。
ただ、音楽である以上はまずは楽曲ありき。
その上での歌詞である。
その点において楽曲面における革新性を感じなかった点に物足りなさを感じるアルバムであった。
ちなみに「転がる岩、君に朝が降る」に関しては手放しで好きと言える曲でした。
概要
街角にしっかり立っているのに、どこか俯瞰で世界を見ているような、アジカンが新たなレベルに突入したことを示す4thアルバム。
俯瞰といっても決して醒めてるふりじゃなく、本当に近づける距離なら近づき、世の中の出来事をいい・悪いじゃなく全力で抱きしめるような心意気のようなものか。まだ何もしちゃいないじゃないか、進め…と歌う「アフターダーク」から「ネオテニー」への離陸感、転機のシングルとなった「或る街の群青」で再び街角に着地したかのようなSE。退屈しのぎのヘッドフォンミュージックにするには余りに現実に対峙した快作と言えるだろう。(石角友香)