正に「単純な計画」だったはずが…。おすすめ度
★★★★☆
片田舎に墜落した謎の小型機。そこには死亡したパイロットと大金が。暫らく様子を見て山分けするつもりだったはずが、小さな偽装工作していく度に段々事が大きくなっていきもはや「シンプルなプラン」ではなくなっていく。短気な男に、コンプレックスを持つ兄、何とか「プラン」を成功させようとする弟。しかし結局残ったものは大金の欲に取り付かれた代償とはあまりにかけ離れた虚しい結末。
このS・ライミ監督、後に「クイック&デッド」や「スパイダーマン」の監督をすることになる監督です。他にも「呪音」のアメリカ版の製作にも携わっており結構な職人監督に成長した。ここでも回転式拳銃に弾を込めようとするB・パクストンの演出や「バクスター警部」の正体などドキドキハラハラさせてくれます。
経済学的な映画おすすめ度
★★★☆☆
経済学の中では、各々が個人の嗜好や、選択によって利己的に動くという前提がある。それは全て、利益を最有効なものにしようという人生において、当然の生産活動である。
この話は、まるでゲーム理論の「囚人のジレンマ」みたく、最善の方を尽くして、失敗していく敗者の物語だと思う。そこに、雪山の情景描写で、丹念に、シニカルに、美しくも儚い、それでいて人生に対する絶望や希望を、人物を通して描ききっている。主人公の兄ジェイコブの前半の優しそうな笑顔が、後半に移るにつれて重い表情になっていく様は見ていて胸が締め付けられる。モラリティと、世界に対する矛盾を抱えた映画であるとも思う。
サスペンスの小道具もふんだんに駆使していてハラハラと、娯楽性もあり、名作だと思います。
うーん、、、、、おすすめ度
★★★☆☆
とりあえず、主人公の自分勝手さがムカツク。主人公だけじゃなく、その妻も、コロコロ言ってることが変わるのがみていて?状態になってしまう。
結局、何を言いたいのか、ハッキリしないのもなんだかスッキリし無くて嫌だ。勝手に個個で考えてくれってことか?
あと、兄貴役の人が一番演技がうまかったです。
悲しすぎるというか愚かすぎる。おすすめ度
★★★★☆
貧乏な兄と弟と兄の友人が真冬、父の墓参りをして帰りに大金を発見。
弟が金を管理。
金をめぐって不幸なドラマが始まる。
兄役の役者は
あまりにも優しすぎる。やはり、弟をかばう兄なのであった。
大金が噴出させた不満おすすめ度
★★★★☆
よりにもよって大晦日、大金を目にして、各々が今まで抑えてきた不満が徐々に確実に大きくなっていった3人。それなりに生活してきた彼らが、その金を完全に自分の物にできていないうちから、それなしでの生活を思い描けなくなってしまうほどの強い執着心に取り付かれる。
生き方も考え方も異なる弟ハンクと兄ジェイコブ2人の心の変化が、全く逆向きだったことは悲劇。ハンクの場合には妻サラの存在は欲望にのめりこませた大きな要素。兄ジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)の弟ハンクへの愛と嫉妬の板ばさみに苦しむ演技が何といっても一番の見所。
この題名を考えれば、彼らが大金を目にした段階で、すでにそこそこの予想の付くストーリーながら、坂を転がり落ちていくようなストーリー展開と、きめ細かな心理描写に惹かれて最後まで目を離せなかった。抑制の効かなくなった人間の恐ろしさ、これが今回サム・ライミが見せてくれた恐怖。
概要
雪山で墜落したセスナを発見した、ハンクと兄のジェイコブ、そして彼の悪友ルー。そのセスナには現金400万ドルがあった。3人がその金を着服しようとしたときから、彼らの人生の歯車は狂い、殺人事件にまで発展していく…。
スコット・スミスの同名ミステリーを、サム・ライミ監督が映画化した。平凡だが幸せに暮らしていた普通の人間が、大金に夢を託したとたん、指の隙間からその幸せがポロポロとこぼれ落ちていく。欲望が人間をジワジワとむしばむ様子を、ショック描写ナシでじっくり丁寧に映しだし、いつまでも胸に恐怖の余韻が残る映画に仕あがっている。
役者では、とろい兄を演じるビリー・ボブ・ソーントンが秀逸だ。できる弟にコンプレックスをもつ寂しい独身男を、胸が締めつけられるような熱演で見せてくれる。(斎藤 香)