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中田英寿 鼓動 (幻冬舎文庫)

小松 成美
おすすめ度:★★★★★
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彼は戦っていた
おすすめ度 ★★★★★

様々なエージェント、公園で出会った子供達まで全ての登場人物から伝わってくる鼓動。小松成美が綴った2年間の記録が胸を、心を打ちつける。今さらではあるが、今だからこそ読むべきと感じた。テキストを通してさえ胸が締め付けられるような感覚を受けた世界で彼は戦っていた。



システム対個人の話。中田という事実。
おすすめ度 ★★★★☆

中田英寿 鼓動

僕は中田のことをよく知らない。確かにワールドカップ当時はヒーローとして見ていたし、最近、CanonのCMや東ハト社外取締役就任、そして、マネジメント会社のサニーサイドアップと契約しているという事実から、ブランディングがうまぃなぁと思って注目しているくらいだった。そういう、読者の視点からこの本を語っていこうと思う。

まず、単純に面白い。物語が途切れることなく臨場感を伴って展開されるので、実際に読んでいてあたかも自分がフィールドで戦い、複雑な交渉の現場を2m後ろから眺めているように感じる。そして感じたのが、マスコミの凶暴な力と、無知な何千万の人間の力だ。

マスコミや著名人の発言に影響を受けた無知な何千万の人間はその発言をあたかも自分自身の考えのように内面化し、評価を下す。その残酷さがダイレクトに心に迫ってくる。

解説で作家の重松清さんがこの本を読み解くよいヒントをくれている。この本の読み方として、システム対個人という読み方が可能だということだ。サッカービジネス対個人、日本というシステム対個人…、などなど。さまざまなシステムのなかで翻弄されているのがマスコミの発言に影響される無知な人間で、そしてそれを批判しようにも情報源が限られている人々も同様にシステムの中から抜け出すことができない。

そのようなシステムへ対抗するために、信頼できる情報源と、このような書物が必要だ。対象との信頼関係を築いた人物がその対象を長い間見つめ、そしてできるだけ真実に近づけようと奮闘し完成させる。ここには真実ではないことも含まれているだろう。しかし、その真実へ近づけようとする気持ちこそがこのような書物の価値なのだと思う。中田というエネルギーを発する太陽が存在しなければこのような書物は生まれなかった。この書物は中田の光をきれいに反映していると思う。



いい青年ですね
おすすめ度 ★★★★☆

とかくマスコミでは色々言われている中田英寿だが、その素顔は将来をしっかり見つめ、日々努力をしている、普通の好青年であることが本書を読むとよくわかる。

イタリアへ渡った直後から、現地インタビューに積極的にイタリア語で応対している彼を見て、「普通の選手とは違うな」と感じていたが、その違うところが何なのか、本書を読み理解できた。

スポーツの世界でも、一流になるには体力的な優位性だけではなく、頭脳における優位性も必要である事が、彼やイチローを見るとよくわかる。

彼がサッカー選手でなかったとしても、十分成功したであろうことが彼の人生に対する姿勢から読み取れる。


世界の中田が生まれるまでのドキュメンタリー。
おすすめ度 ★★★★★

テレビではあまり表情を表さない中田だが、いかにナイスな人柄かはこの本や、自身のホームページでわかるだろう。 この本はそんな中田がせりエAの舞台に立つまでの苦悩や葛藤、また優しさと厳しさを持つ彼の周りでいろいろな人間が繰りひろげる世界はドキドキ、ハラハラの連続だ。 著者の小松成美は彼らをまるで自身が体験したかのように描いて見せた。 この本はサッカーファンに限らずいろんな人に読んでほしいと思う。私は何十回も読み返しました。


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