葛城ユキ 名選集
ヒットした曲はあまり多くありません。きっと多くの方々が耳にしたことのある曲は、「ボヘミアン」「ヒーロー」そして「哀しみのオーシャン」あたりではないでしょうか。
しかし、その表現力には圧倒されます。ボニー・タイラーのカバーが多いですが、声の質は似ている(というかほぼ同質である)ものの、表現力では決して負けず、むしろまさっている部分も見受けられます。
デビュー曲である「哀しみのオーシャン」は、ボニー・タイラーが1979年の第10回ヤマハ世界歌謡祭でグランプリをとった曲「Sitting on the edge of the ocean」のカバーですが、聞き比べてみた時、その歌唱における「深み」は葛城ユキがボニー・タイラーを上回っていると言っても過言ではないでしょう。
まだ葛城版「哀しみのオーシャン」を聞いていない方、必聴です。
ボヘミアン~葛城ユキ
今、何処で何する人ぞと思われる方も居るかもしれない。「ボヘミアン」ブームを巻き起こした当時、一世を風靡したそのハスキーボイスはまだまだ健在、いや年齢を重ねるごとにより深みを増してさえいる。英国の誇るハスキーシンガー、ボニータイラー顔負けのパワーはこのアルバムでも全開だ。胸元よりも下でマイクを構えても響くハスキーな低音は、これからも他の追随を許さないだろう。本物のロッカーだ。
プレミアム・ベスト 葛城ユキ
私が知っていたのは、一曲目と二曲目だけ。
今度聴き直してもああこういう曲だったなあ、と憶い出しただけのようだったが、五曲目のゲッタウェイは生まれて初めて聴いた。これが最高!一曲目や二曲目の比ではなく、歌詞と楽曲と声力がこれまでに聴いたどの曲にもない、これ以上のものにはできないものであったことを知らされた。ロックと女声がここまでマッチングすることはこれまでもこれからも、多分あり得ないだろう、とここで断言しておいていい。