コンセント [DVD]
原作は読んでいないので、映画のみの感想だが、エロティックな匂いや死臭が満載の良作だと思う。エロティックだが日活ロマンポルノのそれではなく、女性も観れるいやらしさというべきか。中原監督は日活出身だが、さすがに女性の感度・感性を捉えることが上手い。「櫻の園」も同様にエロティックだった。今回の主題はコンセントである。人間をPCのOSに例えて話を進めているので、電源=コンセントが必要だ、ということ。人間は本来、電気コードがなくても生きていける。しかし現代では誰かとコンセントでつながっていないと、人間そのものが壊れる。中原監督はこれをシャーマニズムなども引用して見事に映像化した。主演の市川実和子は本当に脆くて壊れそうな演技がいい。男は電源代わりだが、ないとスイッチが入らないカラダ、というものを綺麗に、また卑猥に演じてみせた。本作を観ると、自立心など本人が思っているだけで、実は人間誰もがコンセントを必要としていることに気がつく。ちょっとカルトだが、観ておいて損はない一作である。
縁切り神社 (幻冬舎文庫)
これは男の人が恋焦がれた女性に
「愛している」と伝えられぬまま、
せつなく恋の炎を消して行かなくてはならぬような状況へたってしまい
「愛情」の塊に胸を焦がしてる。・・・そんなお話です。
自分に置き換わるところもあって大変、ジィーンと来ました。
たとえば、こんな方にお勧めです!
『いま、付き合っている!または、
結婚していて亭主が居る!・・・だけど、
他に愛してしまった彼が居るのぉ==!』
とおっしゃる女性諸君!!
「彼」の気持ちを分るような気分に成れるかもしれません。
少なくともわたしはなってしまいました。
マアジナル
これを読破するには、前知識が必要な気がする。
普遍的無意識と共時性、量子論とインテリジェント・デザイン。
簡単に言うとセカイ系と呼ばれる世界のお話、かな?
しかし、惜しい。説得力が乏しいので星4点。
4点だけど「マアジナル」は、面白かったから、次回に期待。
ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ: 原子力を受け入れた日本 (ちくまプリマー新書)
12年間思ってきたことと著者が語るだけあり、たいへん平易な
言葉で深い洞察をしている。原子の話を分かり易く、丁寧に説明
していて、その辺の原発関係の本とはひと味違う、長年の取り組
みの蓄積が素晴らしい。
ヒロシマ・ナガサキの原爆についての話がこの本のテーマになっ
ていると感想を持ったが、やはり、原爆を落とした米軍が、事前
に市民に警告なしで大量破壊兵器を使うことへの疑問は、田口・
ランディの主張通りである。
事故発生時のエピソードもそのとおりなのだろう。私たちは、も
っと、真実を正確に理解しなければならない。この本を描いた、
田口ランディに拍手。
バランスの取れた主張をする良書であった。