清須会議
柴田勝家と羽柴秀吉を中心に、様々な人物の独白でストーリーが展開する。「現代語訳」とは三谷さんらしい「逃げ」の手だけど、それがテンポを生んでいて読みやすい。
歴史を知っていれば会議の中身に大どんでん返しはないが、個性豊かなキャラクターが騙し騙されながら結末へ向かっていくのはなかなか引き込れる。笑いは控えめで、映画化に当たってキャストが決まり、独白を組み立てていく中でどう変わっていくかが楽しみ。イノシシ狩りが笑えるシーンになりそう。
ネタバレしすぎないように書くのは難しいですが、会議の決着がついたあと、やがて来る避けられない戦を予感しつつ、酒を酌み交わす秀吉と勝家が良かったです。秀吉が知恵で勝利していく話ではなく、敗れていった柴田が何を悟るのか、つかむのかという話です。
歴史を動かした会議 (朝日新書)
NHKの大河ドラマに出てきそうな歴史に名を遺した会議のエピソード集である。
本書は、日本史ものとのジャンルで考えれば食い足りなく、「会議の有り方」とのジャンルで考えれば表面的であり、編集者にとっては悔いが残る一冊ではないだろうか。
三谷幸喜のありふれた生活9 さらば友よ
三谷さんがテレビに映っていたら、絶対に見入ってしまう・・・なんか面白いことをいって笑わせてくれるはず…
と思ってしまう、自分にとってツボの人です。
さらば友…。友とは、飼い猫おしまんべ、おっしーのことです。
近く必ずやってくる、おっしーの死にむかって、共に過ごしていく様子が、
三谷さんらしい文章でつづられています。
もうダメだ・・・という絶望の中にも、少しの希望や、笑いがいつもあって、
生きていくって、そういうことだよね!と思わせてくれる一冊でした。
終わりには「三谷家の仲間たち」のフォトアルバムも!
涙あり、大笑いあり。
和田誠さんのイラストも素敵です。