VOICE
リズムに二人のベテランを招いての新作。演奏そのものはエキサイティングで、技術的にも高いレベルにある。
これが上原ひろみでなければ☆5つでも良かったと思う。けれど、これが上原ひろみだと、そういうわけには行かない。彼女がいままでのアルバムで保ち続けてきた高いポテンシャル、未知の領域に挑むようなアグレッシブな部分や、すみずみまで計算され尽くした鋭角的な豪快さ、周到なリハーサルによる一点の隙も無い完璧なアンサンブルが、一つの尺度になるからだ。
印象をひと言で言うと、実験的な部分や難解な部分が少なくなって、丸くなってしまったという感じである。ドラムが、パワフルかつ緻密で正確無比なマーティン・ヴァリホラから、サイモン・フィリップスに代わったことは特に大きい。ドラム、ベース、ピアノの絡みに、パワーは確かに増したが、スリリングな部分が希薄になったような感じがする。その分、特にロックから入った人には聞きやすいアルバムにはなっている。
いずれにしても、彼女が目を離せない天才的なコンポーザーであり、プレイヤーであることは疑い得ない事実である。だからこそ彼女には、この路線ではなく、トニー・グレイやマーティン・ヴァリホラと一緒に、誰も達したことの無い高みを目指して欲しいと思う。
ディーモン・デイズ・ライヴ [DVD]
デーモンをはじめ、各ゲスト陣、コーラスの少年少女達、ストリングスなど、合計20〜40人がステージ上でGorillazの音楽を完全再現するライヴ!
1曲ごとにコラボレイターらが入れ替わり演奏して行く様は豪華そのもの。
録音の状態、カメラアングルなど、どれも素晴らしく、Gorillazの"音楽"の良さを再認識するには十分すぎる内容でした。
是非、大音量のサラウンド環境で体験して頂きたいです。
最後に注意して頂きたいが、このライヴは、グラミー賞でのマドンナとのパフォーマンス等で見られたように、Gorillazのメンバーが登場して演奏する訳ではない。
Gorillazのメンバーは、客席の2階バルコニーからライヴを鑑賞している(!)
彼らのアニメが好きで、そういうライヴを期待していた方は、2007-2008ツアーに向けて準備中との事ですので、そちらに期待ですかね。
個人的にも、そちらも是非DVD化して頂きたいです。