フィールドワーカーのためのGPS・GIS入門―フィールドにGPSを持っていこうGISで地図を作ろう
編著者のあいさつにあるように、細かい理論は抜きにして
何はともあれ必要に迫られてGPSやGISを使いたい人向け。
一応計測に使われている理論について解説はありますが、
読まなくても使い方は理解できるようにできています。
ソフトウェアの紹介や解説もなるべく無料で手軽なモノを
画像付きで分かりやすく紹介していて、読みやすかったです。
フルカラーなのも素晴らしい。
値段がけっこうするのはフルカラーのせいもあるのではと思われます。
あと、実際に現地でGPSを使ったり、
GISを使っている文理にまたがる幅広い分野の人々のコラムが
「そんな使い方があったのか!」という驚きがあってとても面白いです。
ここが他のGPS本と一番違いがあってかつ価値のある部分かも。
欠点としては(理解に支障をきたすほどではないにしろ)時々解説の日本語がヘンだったり
特に最初の方は字が小さくてページ当たりの情報量が多すぎるように思われました。
これはページ数を減らす苦肉の策なのかもしれません。
というわけで、面白くて役に立つところは☆5つですが、
欠点もかんがみて☆4つ。
GPSのしくみと応用技術―測位原理、受信データの詳細から応用製作まで (レベルアップ・シリーズ)
GPSの動作原理を理論と実験から記述しています。
前半は測位の原理で、衛星の送信データのフレーム内容が一覧表で入っており、その信号から現在位置を計測する計算方法などが書かれています。
後半は受信機とアンテナの製作を通して、ハードウェアの動作原理とNMEAフォーマットの解説、高精度基準クロックの取り出し方やGoogleMapでの応用などについて書かれています。
受信モジュールを入手して実験してみたい人には良い資料となるでしょう。
ゼロから始めるエアーバンド受信 (三才ムック vol.376)
TVドラマの放送などで昨今注目が集まっている航空管制ですが、本書は数ある航空無線(エアバンド)の受信解説書の中でも、きわめて初心者に適した内容となっています。
レシーバー購入前の方はもちろん、いざ買ってはみたが何を喋っているのかサッパリわからないといった疑問を持つ方への適切な参考書となるでしょう。基本的な解説から始まり、必要な機材やアンテナの紹介、管制の流れや用語集などが多く含まれていますので、この一冊で初心者の方は知識を満たすことが可能です。中〜上級者の方でも、おさらいとして本書で学ぶのも良いと思います。
なお、残念ながらHFやUHF帯エアバンド、ACARSなどのデータ通信に関しての解説は豊富ではありませんので、これらのジャンルにも挑戦してみたい方や、もう少し内容を詰めた解説書が欲しい方は、既刊の航空無線のすべて2011 (三才ムック vol.327)をお勧めします。※今秋には2012年版も発刊される予定のようです。
余談ですが、これまでの三才ブックス刊の受信本とは違い、本書はブックカバーが付いており見た目は少々高級な仕上がりになっていました。