ザ・マスター・キー
書かれた年代から90年という歳月が経過しているが、
いま読んでもなお、すばらしい理論だと思う。
人間、世界、宇宙の仕組みを教えてもらったような気がする。
とても年代を感じさせないような内容で、
自己啓発書の古典と言っても良いすばらしい本。
いまとなっては、このような法則はよく言われることではあるが、
ここまで、詳しく、実践的な本は他にはないと思う。
ジェームス・アレンの『「原因」と「結果」の法則』と並んで、
自己啓発書の古典として読み継がれていってよい本だと思う。
ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?
~アメリカでは、マイクロソフトといえば、30歳までに1億稼げる会社というイメージがあり、成功のパスポートとして多くの優秀な学生がその門をたたくそうだ。日本では、就職先の企業としては安定性やブランドなど、昔ながらの有名企業が上位に名を連ねるが、合理的なアメリカでは事情が違うのである。そういう事情を理解してこの本を読めば、一攫千金をねらう志~~望者と、優秀な学生を獲得しようとする企業の熾烈な駆け引きをかいま見ることができ、日本の採用事情と照らし合わせることで、いろいろと考えさせされることがある。
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通り一遍等の面接やペーパー試験では優秀な学生はなかなか獲得できない。一流企業を一流たらしめるためには、あの手、この手で人をふるいにかけて将来の金の卵を!絞り出すのだ。ここに上げられた数多くのパズル試験は、答えがはっきりした設問を如何に早く正確に解くかではなく、難問奇問を頭をフル回転させて発想力と論理力を試すものであろう。「ビルゲイ~~ツの面接試験」は、先の見えないビジネス環境で、競争相手より有利な打ち手を取るための採用戦略と言っても良い。
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なかなか面白い本ではあるが、そもそもこの本の目的がハッキリしない点がこの本を読みづらくしている。単に、難問奇問をあげつらえ、知的好奇心を沸き立たせるための本なのか、これらの設問に、マイクロソフトの競争優位の秘密があるのか、なにが言いたいのかよくわからない、とらえどころのない内容にやや退屈な感じがする。もう一つ苦言をいわせてもらえ~~ば、翻訳が直訳的で非常に!読みづらい。もう少し意訳をまぜて歯切れの良い日本語にしてほしかった。私の評価は3である。~
スティーブ・ジョブズ:ラスト・メッセージ ~天才が遺したもの~ [DVD]
S・ジョブズとB・ゲイツは世界のコミュニケーションを変えた。
ここにM・ザッカーバーグやL・ペイジを加えてもいいかと思うが、
後者はあくまで「乗り物」が無ければ成しえないサービスであることを考えると、
やはりスティ−ブとビルは突出している。
本作は60分ほどのドキュメンタリーだが、スティーブとビルの「唯一の」TV対談
にもかなりの時間を割いており、アップルのみならずコミュニケーションとしてのPC
の進化を取りあげている点が買える。
それにしても「マウス」を開発するのにウォルグリーンへ駆け込んで、制汗剤とバター箱を購入。
制汗剤の丸い部分をバター箱に組み込んで作った話などは抜群に面白かった。
アップル成功の影にウォルグリーンありとは(笑)・・・。
日本で言えばマツキヨとかサンドラとかHACに行って大発明したようなものだからね。
Macからi-Mac、i-podを経てi-phone、そしてi-padまでその進化と発想性には凄いものがあるし、
これはビル・ゲイツにも真似できない偉業だと思う。
おまけに本業のアップル立て直しのみならず、これまた大苦戦していたハリウッドメジャーの
雄・ディズニーまで元気にさせてしまったのは、もはや奇跡である。
本編でもエジソンとスティーブを比べたコメントがあるが、確かにふたりとも
電気・映画・音楽を「創造」して「中興」した点が共通している。
100年後には併記されているかも知れない。そのくらいの「革命」ではないか。
非常に駆け足だが、アップルの追放〜復帰なども押さえており、スティーブその人を知るには
良い作品だと思う。
孫正義氏も一瞬登場するが、軸はアメリカと中国であり、このあたりは時代の変わり目も
感じさせる。せっかくの「デジタルの神」についての作品なのだから、これはブルーレイで
発売して欲しかったところだ。
星は4つです。
世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち
世界を牛耳る大物を、具体的に、遠慮なく、批判を恐れることなく、写真付きで堂々と語る著書は「面白い!」
過去から現在までの政治・経済・大事件などを思い浮かべながら読み進めると、点が線になる感じもします。
どこまで真実なのかわかりませんが、メディアを鵜呑みにするのでなく、真実を見る目を養わないといけないのでしょうね。
20年以上アメリカ資本の外資に勤務していますが、彼らには日本人以上の「裏の顔」があると感じてます。
仕事と割り切っているものの、本書を読むと「大和魂」が湧きあがり、日本の為に貢献したくなります。
著者が検察・米国などの罠にはまらないことを祈っています。
本書は、いまや1つの国家にも例えられるFacebookとその創業者Mark Zuckerbergの、華麗なるサクセスストーリーの裏側で渦巻いていた闇に迫った、”再現ドラマ”である。
それも、極上のドラマ、である。
近年急成長中のIT企業の例にもれず、Facebookも一人の天才ハッカーによって作られた。
本書は彼の物語、いや、彼と関わった人達によって語られた彼の物語である。特に、Markに恨みを持っているであろう人間によって再現されているという点が、本書をより面白く、よりリアルにしているのだろう。
物語は、ハーバードでのエリートクラブ入会審査の場面から始まる。
お世辞にも社交的とは言えない -超一流のGeekが常にそうであるように- 主人公(?)のMarkは、ハーバードでの輝ける地位を保障されていたエリートの仲間入りはできなかった。しかし彼はそんなことは意に介さず、自らの興味の赴くままにコードを書き、ハーバードのセキュリティシステムに侵入する。
どんどんと巻き起こっていく多くの出来事は、彼の異端としてのキャラクター、天才性を際立たせる。
そして多くの闇も描かれる。
Facebook創業にまつわるいざこざ、仲間の裏切り、訴訟。
創業から急激に拡大を続けるベンチャー企業において必然とも言える人間関係のもつれが、克明に描かれている。見るに堪えない場面もあるし、そこには善人は一人も登場しない。
物語の最後まで決して一人称で描写されることのないMark Zuckerbergの内面をうかがい知ることは出来ない。それは周囲の誰にも出来ていなかったようだ。
その掴みどころのない彼の存在感が、ストーリーに抑揚をつけている。
本書に書かれている話を信じるかどうかは読者次第だが、それが嘘であれ真であれ、世界を変えるまさにその現場に居合わせた者にしか分からない熱気が、そこに感じられたのは事実だ。
天才とはなにか。
ITが世界を変えるとはどういうことなのか。
成功とは。
少なくとも、時代の最先端でITサービスを展開するやり方については、正しく、そして本質を突いた描写ができていると思う。
およそITというものに関わる人間にとって、読んでおいて損はない一冊だろう。