球場ラヴァーズ 2巻 (ヤングキングコミックス)
いじめに苦しんでいる人がどういうきっかけか、この本のレビューを読んでしまったら
この本を読んでださい。
…というレビューにしたかったのに、話数の関係で該当するエピソードが入ってません。
入っている前提でレビューの文面を考えていてしまったので困りました。
2巻に限ってコメント。
私も関東からマツダスタジアムに遠征し、基町姉さんのように感動しました。
さらに、13話は他人事でない経験もしました。
選手名は雑誌連載時からこっそり直っています。
直っているところと、それでも直っていないところを見つけてニヤっとしてください。
もう一つだけ、レビューさせてください。
この後の展開は「すべてのカープファン」から「すべての野球ファンへ」となります。
詳細はネタバレになりますから書けません。
球場ラヴァーズ 3巻 (ヤングキングコミックス)
前巻で、12球団ネタへと裾野を拡大していく伏線もあったので、
すっかりそんなふうになってしまうことを懸念していたのだが、
それは払拭された。非常に正しい、そして味わい深さを増した作品へと軌道は乗ったと思う。
プロ野球を応援する人は、その日その日の勝ち負けを刹那的に応援しているようでいて、
実は生活の中にプロ野球が溶け込んでいった後には、野球そのもの以上に、
野球を巡るままならない現実と厳しさ、そしてそれに立ち向かおうとする者に目を向けざるをえない。
もう長年ペナントレースという華やかな舞台から遠ざかり、
しかしなおかつこれだけのファンをとりこにしてきた広島東洋カープには、
(悲しむべきことかもしれないが)優勝というゴールを持たないドラマが詰まっている。
だから、この作品の軸たりうるのだ。
一喜一憂するファンである登場人物たちは、
ついに時間までも私たちと共有した。
震災と、そしてその時のプロ野球界という現実を「今」背負ったこの作品は、
はっきりと新たなステージに立った。
彼女たちの明日は、私たちの明日と同じ時間。
頑張ろう、そう、それはいつかは、ではなく、今こそ。