いとしのエリー
サザンの3枚目のシングルです。この大ヒットを機に、1stシングルで若干色物的に見られていたサザンが文字通りトップバンドにのし上がりました。
浮気をした桑田が原坊に謝った歌というのは今では有名な話ですが、そんなプライベートなことを歌にしてしまってしかも稀代の名曲にしてしまう所は天才桑田たる所以でしょうか。
「泣かせたこともある~」「笑ってもっとベイビー~」という歌詞も切なければ、メロディも美しく、サザンのバラードの中でもトップクラスにランクされると思います。また、エリーを新婦名にして披露宴で歌うことも多い、いろいろな人の思い出にもなっているであろう名曲です。
いとしのエリー [VHS]
国生さゆり、若いです。かわいいです。
映画としてはこの時代の普通の映画って感じですが、
原作は漫画ですよね?たしか、いとしのエリーっていう漫画です。
内容は結構過激で、先生と生徒の恋物語です。
80年代をホウフツとさせるパーティーのシーンなどは、なんだかなつかしいですね。
海のYeah!!
あ、これ知ってる!と思う曲が多いほどそのミュージシャンの音楽はこの国のスタンダードなのでしょう。今作ではそのフラッシュバックに幾度と出会います。そして、今迄曖昧だったその情報を改めて明確に自身のなかに焼き直すプロセスを、次々と行うことになるはずです。そのとき、その音楽を自分のものにする喜びを知り、そしてスタンダードであるほど、音楽を多くの人々と共有する幸せを見つけることと思います。
このサザンオールスターズの代表的なベストは当にその効用で溢れていますね。皆が知っている曲達、しかもどれもシンプルで普遍的なメロディ、キャッチなサビ、更に心のツボにぐっとくる歌詞たち。どの要素もスタンダードになるべくして生まれてきたような秀逸な歌ばかりです(佐藤竹善は「真夏の果実」の緻密な構造に驚いたと述べています)。加えて、バラードだけじゃなくアッパーでノリの良い曲まで、それへ定着化させていったバンドは珍しいのではないでしょうか。
サザンのよさを思うとき、切なさと底抜けの明るさの両極端が並存している音楽としての面白味を思わずにいられません。今作の海をモチーフにすれば、焼け付く浜辺におけるテンションの高さと、夕日が海に沈む黄昏感など海の歌が持つ二面性ですよね。切なさの部分は日本人的なウェットな泣き心といいますか、歌謡曲からのルーツでしっかり誰しもの心を捉えます。またソウル音楽からのメロウさも大きな要因でしょう。一方、カラッとした明るさは永い邦楽史、日本人の気質の中では比較的若い感覚であり、今の日本を支える世代には欠かせない音楽要素ですよね。しかも桑田氏の個性だから成せる業ともいえそうです。
そうした正統と革新の両方を併せ持つサザンの音楽はパイオニアです。恐らくわびさびだけでも、ノリの良さだけでもだめで、涙と笑顔のうたが重層的に積み上げられてきたから、サザン音楽の懐の深みは多くの日本人を魅了してきたのでしょう。「希望の轍」などきいていると他に誰がこの領域に近づけるだろうかと思います。
いとしのエリー
「いとしのエリー」はサザンがデビューしてから初めてミリオンセラーを記録した曲です。「エリー・マイラブ」というフレーズが何度も繰り返される、センチメンタルで印象的な作品です。個人的にはサビの「笑ってもっとベイビー」という部分がとても好きです。「笑ってもっと」と言われると、沈んでいても思わず笑顔がこぼれてくる、不思議な魅力のある曲だと思います。