快楽革命オデパン (文春文庫)
「華麗なるオデパン」「恋愛王国オデパン」と読み進めてきた。
超のつく上流社会の暮らしと遊び、全く縁もゆかりもない世界観を楽しんできた。
3冊目のここに至って、俗っぽさが鼻につく感じ。
主人公のマオも超然とした雰囲気から地上に引き摺り下ろされ、ずいぶんと世間の垢にまみれてしまった。
オデパンメンバーは相変わらず浮世離れした遊びに打ち込んでいるのだが、身につけるものの価値観をすぐに金額換算するあたり、華麗なるオデパン社会にも不況がおしよせているのだろうか。
レギュラー男性陣の尾崎くんや美馬くんも仕事に忙殺されており、その内容もセレブからは距離がある。女性陣もチームとして仕事を手伝うのだが、お色気作戦がこれまた。。。
いくら美女ぞろいとは言え、40歳をとっくに過ぎた女性のそのお色気攻撃は下品ですわよ。
オデパンと言えば、様々なパーティーシーンがあり、出席者の華やかな衣装が描写されているが、どんなにスタイル抜群とはいえ、内容にある通りのコーディネートを日本人である彼ら、彼女らが着こなしているのにも、違和感が出てきた。
あと、文庫版の表紙はどう考えても内容とつりあっていませんね。
楽しみなシリーズだったのに、この先を読みたいような読みたくないような。
愛と剣のキャメロット [VHS]
かの藤本ひとみ先生のデビュー作品の漫画家マリナシリーズがアニメ化。
映画館上映もされた、今ではとっても懐かしい作品です。
同名小説を元に少しばかりオリジナルが入ってはいますが、比較的原作に忠実です。
3頭身半のマリナちゃんがお馴染みの美形メンバーに囲まれて、動きまわってますよvv
声優陣も豪華なメンバーが揃っているのではないでしょうか。
幕末銃姫伝―京の風 会津の花
本作の初版が昨年で、今年の3月つまり再来年の大河ドラマが山本八重を主人公にした「八重の桜」であると発表されたときに重版となったのだが、9月時点で三版はなしということで、このタイトルでは帯等で工夫しないと便乗にならないんだなぁと納得。
本作は「山本覚馬・八重の兄妹を主人公に会津藩を中心に置いた幕末歴史早分かり」なので、「八重の桜」の予習本として現時点では最適とおススメする。まぁ、山本八重に関する本が他に殆どないわけだが。
龍馬や晋作ほどにはメジャーではない会津藩の人々、それに封建思想に凝り固まった会津での女性の生き方とか毀誉褒貶ある人物の描き方など、作品にするには難しい部分もあるのだが、ナポレオンでもフランス革命でも上手に料理してきた藤本女史の手練手管にかかれば、全く違和感や難しさを感じることなく、読み進められた。
厳しくいえば、藤本女史の作品というのはシティホテルのメインダイニングのようなもんで、万人受けする最大公約数の仕上がりではあるが、素材の旨み・クセなんてもんを充分には活かさない恨みはあるが、あくまで「入門編」としては上々の出来。
とにかく、端役のような人でもフルネームで登場したなら検索して欲しい。会津戦争が降伏をもって終わるのではない。そこから、なお、続く会津の人々の戦いがあることが感じ取れるはず。
そして、八重を主人公とする上での江戸時代での重要な男2人。つまり、兄・覚馬と夫・川崎だが、奇をてらったりすることなく、しかし、腑に落ちる形で、二人の生き方を描いていることは評価できる。覚馬の失明と川崎の失踪については諸説あるところだが、さて「八重の桜」ではどのように描いていくのだろうか。