いま集合的無意識を、
『僕の、マシン』スピンオフらしいけどその知識がなくても楽しめます。パーソナルコンピュータがパーソナルでなくなりつつある現状のクラウドネットワーク社会に対する視座として面白く、これが2002年に書かれたことに驚愕を覚えます。
表題作の『いま集合的無意識を、』は伊藤計劃さんが『ハーモニー』で投げかけた問いと呪いに対するファーストアンサーとして、かつそのやり取りをある意味らしいやり方で書いたことに、伊藤計劃さんへの想いを感じます。また、こういう形で書かれることが何よりの伊藤計劃さんの期待であり、project itohの一部でもあるだろうし、変な言い方ですが供養になるような気がしてなりません。
他の作品はミステリ風なSFであり、量子論とか無意識の意識や一般意志的なものが好きな方は面白く読めると思いますが、上の二つだけでも私は読んだ価値があったと感じました。
アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
他の皆さんも書いているように、前作を読んでいなければまずわからないですし、読んでいても、設定を完全に理解しながら読み進む事は出来ませんでした。今までの神林作品に無いくらい、これでもか、という思弁の積み重ね。
でも、細かい事はあまり気にせずに、まずは一気に物語を追って行くと(というか、細かい事は置いといて、とにかく先へ進まずにはいられなかった)、ラスト、あまりにカッコ良く美しいシーンに痺れました。
このラストシーンのために、どうか皆さん頑張ってほしいです。
(細かい事は、再読、再々読での理解を目指します)
巻頭のエピグラムも、物語を知って改めて読むと、痺れます。
戦闘妖精雪風 OPERATION 5 特別限定版 (初回限定生産) [DVD]
「無数のジャムが出現!」~小説ならばたった一行の描写に、スタッフがどれだけの時間と手間を掛けたかを考えると頭が下がります。
否定派の方々もこの作品に関わった全ての人間が(方向性は違っても)この原作を愛して止まない事だけは踏まえて頂きたいと思います。
無難に小説と同様のラストを用意する事も出来た筈が敢えてアニメオリジナルの、或る意味予想を越えたラストを作り上げた行為は
当然賛否両論有るでしょうけれど、これはこれで良かったのではないかと。(と言うか他に良い方法があったら誰か具体的に且つ詳細に描いて下さい。)
少なくともアニメでしか表現し得ない映像を目の当たりに出来た事はSFファン、そしてアニメファンの一人として非常に幸せな事でした。
途中、「?」とも思えるようなエピソードも有りましたがアニメ版の言葉の足りない部分は小説で、小説の具体的なヴィジュアルイメージをアニメ版で、
互いに補完するのが今回のアニメ化の意味だとしたらそれがようやく(想像以上の形で)達成されたのだと感じました。
アバタールチューナーⅤ (クォンタムデビルサーガ)
初めてレビューを書いてみたいと思いました。
私はゲームをプレイしてエンディングに凄く不満だらけで落胆させられたので、小説ももしかしたら…とビクビクしながら読んでいたのですが、小説の最後は素晴らしいです! 凄く感動しました。 最後まで主人公が主人公のままでいる姿を見ることが出来て涙が出るほど嬉しかったです。
セラは最終巻で人間的にとても成長していて彼女の人類愛とでもいうべき姿は美しかったです。
全五巻を読み終えて激動の時代を生きた彼らの生き様がとても眩しく感じました。 私にとってこの小説は何度も何度も読みたくなる大事な一冊になりそうです。
ゲームをプレイした事がない人も、プレイしてみた人も是非一度は読んでみてほしい!
最後に心が震える物語を書き上げていただいた五代先生に感謝します。 ありがとうございました。
戦闘妖精雪風 OPERATION 3 [DVD]
まず,原作は原作で本として完成されたものである以上,アニメはアニメで独立して評価しないとなりません.原作の模倣は新たな感動をもたらしませんから.
そう考えて評価しようと思うのですが,確かに原作を読んで頭に思い描いていた機体よりもずっとかっこいいし,新しいエピソードを加えて作品にオリジナリティーを出そうともしています.優れた作品であると言えます.しかし詰め込み感は否めません.アニメのみの作品として見つめると,私にはこの語られない部分が作品の魅力として捉えられませんでした.そうなるとやはり星2つ引いて星3つになってしまいます.
次回に期待したいと思います.