切腹 [Blu-ray]
黒澤明よりも厳しい演出だった小林正樹監督。撮影中に仲代と三国が演技論で喧嘩が始まり、今日の撮影中止と小林監督に言わせた熱い傑作である。監督、俳優が高いレベルで戦える時代。カンヌで絶賛されたのも、理解出来る。必見である!
野口久光シネマ・グラフィックス
『開運!なんでも鑑定団』で紹介されたお宝が掲載されていました。
知らない人が多いでしょうね”野口久光”という人。
お芝居やジャズファンの方には評論おなじみみたいですが、
こんなにたくさんのポスターを描いていらしたとは・・・、
という人がほとんどです。(自分の周りの人々の反応)
横尾さんの文章にあるように、”野口久光”という人は
もっと評価されてもいいのではないかしら。
この本は、豪華な寄稿者の原稿も読み応えがあって、
何より野口久光の芸術作品は、幅広いアートの世界が
一望出来て、映画ファンだけでなく、
アートに興味のある人には絶対薦めたくなる1冊。
図版もオールカラーですし、持ちやすい大きさで
この値段はお買い得だと思います。
切腹 [DVD]
個人的な話で済みません。昔、小学校低学年の頃、近所にチャンバラ好きの子がいて、その子は何故か「切腹するぞ、竹光で」と良く言っていたのです。それ以来しばらくの間、切腹は正式には竹光でするのものだとばかり思っていたのですが、大学生になって初めてこの映画を名画座で見て、思わず身を乗り出しました。あの子はこの映画に影響されていたことが初めて判ったからです。しかし、そんな小さな子供にこの映画を見せるのは絶対にいけません。件の場面の凄惨さは、そこに被さる武満徹による前衛的で不気味な琵琶の調べと共に、生涯、抜き去ることができないほどの衝撃を脳裏に焼き付けてくるからです。その衝撃はやがて、理不尽な武家社会そのものへ、そしてひいては現代社会にもありとあらゆる場面に存在している人間の当たり前の情を無視して「うわべだけを繕おうとする」仕組みや制度に対する激しい怒りへ駆り立てることになります。小林正樹の演出は、余分な説明を一気に削ぎ落とす一方で、自分が必要だと思った場面は物語の流れが緩慢になることなどおかまいなし、これでもかと言わぬぐらいしつこく描き込んでくる粘着性のもので、正に木下恵介直流、日本映画の王道を行くものだと感じます。1963年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したのも当然、これ見ずして日本映画を語る無かれと言いたい、日本が世界に誇る映画史上の傑作です。
太宰治作品集
値段で購入を躊躇っている皆さん、その気持ち分かります。
私もさんざん悩んだ挙句「1CLICK」をクリックしたときは、
「やっちゃったかなー」と思いましたもの。
でも、聴いて納得。これは値段以上の価値がありますよ。
いなかっぺいによる津軽なまりの朗読も聴きごたえたっぷり。
「畜犬談」「きりぎりす」「皮膚と心」「葉桜と魔笛」などは、
小品だからと安易に選ばれたのだろうと思ってあまり期待せずに
聴きましたが、なかなかどうして。まったく聴かせます。
「畜犬談」なんかはそのまま落語としても通用するのでは?
岸田今日子による「ヴィヨンの妻」、
奈良岡朋子の「斜陽」全編朗読は、まさに贅沢なひと時。
名優たちが自分のためだけに朗読してくれる、
特別な時間を満喫することができました。
KEIGO III~歌うように話せたら
アルバムタイトルとなっている「歌うように話せたら」は名曲。
仲代圭吾・行代美都の両氏はTVではなく、コンサート中心に活動をしている
シャンソン歌手だが、シャンソンだけではなく、オリジナルや世界の名曲もコンサートに取り入れている。
CDには、オリジナル・シャンソンが中心となるが、彼らの良さは、実際のコンサートの方がよく伝わる。
なんと言ってもMCが最高なのだ。
また、実兄仲代達矢氏の詩の朗読がいい。
情景が目に浮かび実にいい。
コンサートでは、達矢氏がマイクを持ち、シャンソンを歌う。これもまた見物である。