心と脳――認知科学入門 (岩波新書)
認知科学について簡潔にすべて網羅してある。
それゆえにある程度知識を持った読者にとっては
明解でわかりやすい。
しかし、全くの初心者にとっては具体的な説明が不十分で
教科書的な難しさがある。
中級者がそれまでに学んだことを整理,確認するには最適な著書。
問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))
著者の安西祐一郎は、日本の認知科学者としては大御所。その著者が書いた、問題解決をテーマとした認知心理学の入門書。
この本では、情報処理アプローチによる認知心理学を紹介しています。情報処理アプローチというと、すでにいろいろと批判され尽くされた方法であり、いまさらそんなもの…と思う人もいるかもしれません。そんな人にこそ、この本をおすすめします。
この本では「二十四の瞳」などの小説の例を挙げて、人生における問題解決の重要性を力説しています。これを読めば、情報処理アプローチは厳密な論理を用いた冷たいものではないことが分かると思います。私たちの身近な生活と結びつけることができる、本物の認知科学を知ることができるはずです。
その点では、この本はいろいろな新しいアプローチの出ている今でもまったく古びていない本なのです。