絶対可憐チルドレン 27 (少年サンデーコミックス)
極楽が好きだったので何となく読んではいるけど、
はっきりいって趣味にフィットしてはいないし、
もちろん良作ではあるのだけど私のような者は
想定読者としても入っていないと思う。
でもこの巻の葵はすごくカッコよくて素敵だった。
ちょっと令子を彷彿とさせた。特に、6th senseの扉絵。
それは私が無意識に極楽の面影を探してしまっているからなのだけれど、
椎名氏はやっぱり素敵な女の子が描ける数少ない少年漫画家だと思う。
阪神大震災の時、被災地の子供が極楽を読んでいるのをテレビで見て、
自分の描いた漫画が少しでも役に立てば、と語っていた椎名氏。
きっと今回の震災でも同じことを思っているかもしれないが、
(登場人物も含む)子供たちのために、これからも良い作品を描き続けてほしい。
スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション [DVD]
自分が小学校高学年(5,6年)の時を思い出しました。私自身はゴーディのような文学少年ではなかったのですが、クリスを親分とするような悪ガキ集団とよく「探検」に行きました。自分が転校生であったこともあり、クラスの優等生集団とは心からなじめなかったのも一因だと思います。「屑鉄置場」の親爺のエピソードはなかなかおもしろいです。似たようなこともやりましたね。
この映画の主人公は一見、ゴーディにみえますが、実際は悪ガキリーダーのクリスでしょう。クリスは悪ぶっています。しかし、本当は頭がよくてちゃんとまわりが見えています。度胸だめしをするテディーを諫めたり、自分が父親に愛されてないと告白するゴーディを慰めたり、他の3人よりひと回り大人に見えます。この役を違和感なくやったリバー・フェニックスには感心します。
最初は「死体を見つけて英雄になろう」とはりきって出発した4人。しかし、実際に少年の死体を目の当たりにして「死の恐ろしさ=生きていることの尊さ」に気づいた4人は「英雄になること」を止めます。たった2日と少しの出来事ですが、4人は確実に大人への階段を昇り始めたのです。
ラストシーンで、大人になったゴーディがパソコンに書いた一文「私は12才の時ほどの友人をその後持ったことがない」。全く同感です。
フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)
永い永い闘いでした。
私は、アニメからフルメタルパニックに入りましたが、文章でロボットの戦闘なんて描けるのかと疑っていました。
しかし、いざ原作を手にとってみるとメカアクションは緻密であったばかりか、キャラクターの内面がアニメ以上に掘り下げられており一気にフルメタルパニックに魅了されてしまいました。
それは最後まで変わらなかったように思います。
たとえ辛くても現実を受け入れ、自分の頭で考え、自分の足で歩む。その先には道が続いている。
それが諦めないというこであり、前に進むということであるのを「実感」できた物語でありました。
ナンバーワン・エイティーズ -ムービー・ヒッツ-
There were some theme songs I wanted to listen to badly, when I saw this CD, and I got excited for getting what I wanted.
To my delight, there were some theme songs which I did not recognize by name but instantly recognized as soon as I listened to them. It was a nice discovery. A kind of feeling that you get when you receive an unexpected present.
There were also some theme songs which I did not recognize at all even after I listened to them several times, but some have become my favorites.
I hope that you experience with this CD will be similar to mine. Enjoy.
ON THE STREET CORNER 3
カバーができないミュージシャンは信用できない、とは達郎氏の言葉だそうですが、当に音楽に精通した者だけが成しえる、精密機械のようなカバー作品が今作です。一人が何声もこなすア・カペラ多重録音によりR&Bナンバーが細かく分解され、再び緻密に美しく再構築されているのをみると、当にミュージシャンにとってのカバーのなんたるや、というプライドの極みを思い知らされます。
楽曲を初めて耳にする私でさえもこころを奪われたのは、先ずピックアップされた名曲ひとつひとつの旋律の甘美さであり、同時にそれを再現する彼のハーモニーアレンジでした。技術ばかり紹介したくなる作品ですが、しかし根本的にその心地よさにこころを委ねたくさせる、流麗なコンポジションが際立つ曲ばかりなのです。1のメロウさ、7のスキャットのハーモニーと主旋律が重なる瞬間の煌き、一方軽快なビートに涼しさが宿る4のような曲もあります。6や11はその休符にまで音楽が宿る神聖さが素敵。2のベースは原曲や巷で耳にする同曲カバーよりクリアなのが印象的です。
そしてそれはやはり再現する彼の技術の高さにより成立しえるのだなあと思わされます。ソウルミュージック、ドゥワップにかかせないファルセットの柔らかさ、スラーやレガートの軌道の美しさ、メゾピアノの繊細さ、ベースの鳴りの安定感(特に5や7)、どれも細かいところまで注目すればするほど発見が多く、長く長く聴いてゆける作品なのです。わが国の音楽史で最高位に値する歴史的カバー作品でしょう。
達郎氏のオリジナル12は素晴らしいラヴソングで、特に遠距離恋愛や、単身赴任をされてる方には最高の英語詞となっています。又そのメロディラインも構成も今作の名曲達に負けない秀麗さをもちます。また今作に収録されるだけあって、キャッチさが緻密なハーモニーでくるまれわかりやすさと崇高さが同居する、POPSとしての高みをみるようでした。