Grand Illusion
前作New World Messiahで感じていた「HEAVYさが足りない」と言った不満要素を見事払拭した好盤となった新作Grand Illusionは全体的にミドルテンポの楽曲で占められている。自分は今の彼らに疾走曲を熱望していないだけに大して気にはならない。それどころかVoのジョニー・リンドクヴィストのハスキー且つストロングな歌声には、よりドラマティックでヘヴィーな曲の方が魅力を感じるのも正直なところだ。勿論、前々作で聴くことが出来るRevelationやVengeanceのような疾走曲も合っている。
新作ではとにかくゲストが多彩で、NAGLFARやSTRATOVARIUS、EVERGREY、PERSUADER、HAMMERFALL、STEELATTACKのメンバーが参加しておりかなり豪華な面子となっており、そんな中でもNAGLFAR、STRATOVARIUS、EVERGREYのメンバーが参加している6曲目CUT LIKE A KNIFEは本作のハイライト的な曲であろう。
他のアーティストの作品を例えるならCOZYが参加したことで知られるイングヴェイのフェイシング・ジ・アニマルが雰囲気的に近いような気がする。
本作は疾走曲が影を潜めようが、ヘヴィーでドラマティックなHEAVY METALを展開した好盤である。
PVを収録した付属のDVDはNTSC/PALのコンパーチブル(リージョン・フリー)なので国内のデッキでも問題なく観ることが出来る。
Lost in Time: the Early Years of Noctural Rites
このバンドがブレイクを果たしたのは3rd"Sacred Talisman"だと思うが、1,2枚目もここ日本では専門誌で高く評価され、パワーメタルファンにはよく知られた存在だったと思う。そんな初期2枚が2枚組でセットになったのが、この商品。2作品とも、少なくとも曲の良さは3rdに負けず劣らずの出来なので、ファンなら絶対に押さえておかなければいけません。
それにしても、今この2作を聴きなおして改めて想うのは、彼らの音楽の本物のメロディの素晴らしさ。メタルのリフのセオリーから逸脱したメロディックパワーメタルのスタイルは、ともすればセンスのないメロディの垂れ流しに陥る危険性を常に孕んでいるのだけど、にも関わらずしっかりとフックを盛り込み完成度の高い音楽に仕上げることの出来る彼らのセンスは、もはや唯一無比ですらあると思う。
リマスタリングされているかどうかは不明ですが、ボーナスとして、デモトラックやリレコーディングトラックを収録、ベーシストのNils Erikssonによるライナーノーツ付きと、元盤を持ってる方も改めて買う価値は十分にあると思います。持ってない方も、メロディックメタルが好きなら絶対に買い!!こればかりは損はさせません。
8th Sin
HM史にまた一つ名盤が記録されることになりました。
ノクターナル・ライツの8thアルバムです。
前作からの流れを踏襲、疾走チューンを封印してのミドルテンポで「聴かせる」楽曲で固めてきた内容となっています。それでいて決してダレることなく聴かせきってしまうのは、彼らの実力の高さと確かな楽曲の充実振り故でしょう。疾走チューンが大好きな私ですが不満を覚えることは全くありませんでした。ジョニーのVoは表情がハッキリとしており、より明快になったメロディと相まってメリハリの効いた印象を深くしています。彼らのアルバムが初めてという方でもスッと入っていけるのではないでしょうか。
限定版についているDVDですが、カメラマンの手ぶれか酷く見づらいことこの上ないです。流石に業務用カメラを使用したのか画質は問題ありませんでしたが、カメラワークの悪さもあって無理に付ける程ではないと思いました。ファンの方は入手しているでしょうが、これからの方は無理に探す程ではないと申し上げておきます(多分ネットで拾えますし)
彼らのアルバムを聴いたことがない方は、このアルバムから入るという選択肢も十分アリだと思います。興味をお持ちの方は是非!( '∀` )∩