こころの病気を知る事典 新版
値段のわりにかなりしっかりと内容が書かれているので、家庭の医学のように家庭に一冊あってもよいと思います。
具体的な症状、何故そうなるのかはもちろん、対処についてもわかりやすい文章でかかれているので、身近な方がなんらかのこころの不調を訴えているという方に特におすすめです。
不眠症・睡眠障害 みるみるよくなる100のコツ
睡眠の不調に悩まされることは体の変調や異常を示している可能性もあり、体が発するシグナルと受け止め生活改善をすべきなのだ、ということを読了後に思いました。
多くのトピックを読み易くそして短めに網羅しているので、睡眠というものについて詳しく解りたい人には多少もの足りない感じのする内容かもしれません。しかしタイトルが「100のコツ」であるように、手っ取り早く実践できる対処法や改善策が非常に沢山まとめあげられています。どならにも得られるところのある内容に仕上がっている本書だと思います。
若い人は自らネットを駆使して自分から情報を取りに行くでしょうけれども、年齢が高めの世代は常にそうであるとは限らないと思います。そうして意味でも巻末に列挙されている全国の睡眠関連の治療を行う医療機関の一覧表は良い心遣いだと思いますし、多くの著名な先生方/専門家によって書かれていることからどちらかというと年齢が高めの人にフォーカスしてまとめあげられた本書だと思いました。
いねむり先生
著者と、阿佐田哲也の晩年のわずか二年間の、
しかし濃密な交流が描かれている。
「著者自伝的長編小説の最高傑作」と帯に
書かれているが、読了して残る印象は各地の
競輪場を回る「旅打ち」を通じて描かれる
阿佐田哲也の人間像だ。
ナルコレプシー(居眠り病)というやっかいな
病を抱えた阿佐田は、誰からも「チャーミングな
人」と言われ、麻雀の最中に眠ってしまっても
誰も文句を言わない人であった。
妻を亡くし、苦悩に苛まれ放埓の極みにあった
著者の魂を救ってくれた人でもあった。
阿佐田に対する敬慕と感謝の思いが溢れる、
素晴らしい一冊だ。
それにしても、凡夫に過ぎないわたしは、
阿佐田、伊集院両氏の抜群の記憶力の確かさに
ただ驚くのみであった。
著者は一度会ったダフ屋が翌日家族連れでいた
ところを見分けているし、阿佐田氏は随分前の
浅草の舞台のホンの脇役の所作を覚えている。
やはり、勝負の世界に生きる人は記憶力が
ケタはずれだ。
参った…。