キン・コン・ガン!―ガンの告知を受けてぼくは初期化された (文春文庫PLUS)
筆者自身の肝臓ガンの発見から、治癒と退院までを描いた本。
ガンにかかっていたのに、これだけ軽快なものが作れる、筆者の精神力の強さと余裕には驚いた。
内容は、ものの1時間くらいで読める、軽く楽しめる読み物だった。
これが遺作だと思うと、その軽さと、ガンという病の深刻さのギャップと、既に筆者がこの世にないという事実に、とても不思議な気持ちになる。
お父さんのネジ
死去後にあまれた「漫画ベスト版」で、560ページの大著。
赤瀬川源平と南伸坊の、実際のお葬式で読まれた弔辞。それから嵐山光三郎の追悼文と、「南伸坊、みうらじゅん、リリー・フランキー」による座談会がついている。
渡辺コラムの面白さは、十分に認識している私だが。
漫画のほうは、20代前半に、単行本を1冊くらい読んだのだが、当時は全然ピンとこなかった。(まあ、渡辺は生前に漫画の本は3冊しか出ていないのだが)
が、20年後の今、こうして、ドカンとまとめられたものを読み直してみると、素晴らしいこと、素晴らしいこと。傑作の嵐。
「現実体験そのまま」の漫画や、SF的な「奇想天外」漫画まであるが・・。どれも特有の「生々しいリアルさ」に満ち満ちている。
登場人物が、ヤンキーやバイク好き青年(=渡辺)であることが多いので、「文系の本好き少年」だった昔の自分には、駄目だったんだろう。
みうらじゅんや、根本敬の初期作品は、明らかに渡辺和博の影響を受けている。
「毒電波」という題名の、「電波から身を守るため」に、部屋中を覆っている人物が登場する作品まである。
巻末座談会(南伸坊、みうらじゅん、リリー・フランキー)でのみうらじゅんの発言によると、後輩から見ると「怖くて変な人」だったそうだ。みうらじゅんは初対面で「あなた皮かぶっているでしょ」と指摘され、しばらくして渡辺が著書『ホーケー文明のあけぼの』を刊行すると、表紙に長髪の男のイラストがあり、横に「みうら」と書かれていた、そうだ。
また、神足裕司は渡辺から五反田の町中で突然、「チンコ出したら! オレは平気だよ」と命令されたという。
相当変な人だったんだなあ。そういうことをされても、みうらも神足も、渡辺のことが好きだったという。
金魂巻―現代人気職業三十一の金持ビンボー人の表層と力と構造
それほどー偉そうなこととか言えないコムスメだけどー何か本人がいくらがんばったところでー
生まれた家がお金持ちじゃなかったらーそのあとの人生もたかだか知れてまーすってミモフタモナイことを
30年くらい昔にロコツに言っちゃった本でーす。ある意味で岡田さんの「洗脳社会」よりも未来予測大的中
てゆうかー本当に日本の社会とかー人間社会とかーカワラなさすぎー。
京大とかー有名大学の入試カンニング事件で騒いでるけどーイイダイガク出てもこんなもんだよー
って感じで脱力するー。マルキンのひとたちは慶応が多くてー早稲田や横浜国大でマルビのひとたちも
出てきてるしーあとーそれいがいだとー東大卒の弁護士さんとかー一橋卒の銀行マンがマルキン。
東京外語卒の売れっ子シナリオライターはもう、小説家の大先生みたいでー幸運と才能がすべてでーす。
2011年版がでるとしたらーIT長者が加わるけれど戦後のドサクサと同じでー大混乱の時代は下克上のチャンスも
あったってことなのねー。やっぱりー生まれた時代と場所と家がその人の人生に影響が大きいんだわ
あたりまえーだけど