邪悪なものの鎮め方 (木星叢書)
一言でいうと、生き方レクチャー本(そうじゃないかもしれないけど)。
といっても、「サヴァイヴしろ!」みたいなマッチョで誘導尋問的ないやらしさはない。
この本は、「当たり前のことをみんな忘れちゃってるんで、当たり前のことを体の感覚に取り戻したら、きっと生き残れますよ」と教えてくれているのだと思う。
内田樹の書籍には、例えば『街場の教育論』とか『日本辺境論』とかのような、具体的な何かを論じているシリーズと、この本のように、いささか抽象的な何かを論じた本があると思う。
邪悪なもの……邪悪なものっていったいなんだよ!と、人はいぶかしがるかもしれない。
だが僕は、どちらかというとこの本のような、いささか抽象的な何かを論じている本にこそ、生活のための重要な知恵というか、処方箋のようなものが、記されているように感じられてならない。
そして、その処方箋が、この本を読むうちに、じわじわと効いて来るのではないのか、と思うのだ。
『日本辺境論』はかなりヒットしているが、こちらも、相当に役に立つ書籍だと思う。
ぜひ多くの人に読んでいただきたい。
出来れば、二回。
平明な文章なので、よどみなくさっと読めると思うのだが、さっと一読したときと、一呼吸置いてもう一度呼んだときとで、大分と印象が変わってくるはずだ。
そういう本は、優れた本である証拠である。
なぜかって?
単純に見えて単純じゃないから、ですよ。
この本が何に効くのかは、人それぞれの捉え方次第と思うのだが、僕は、『単純な物語に回収されない免疫力をつける』という効き方をすると感じている。
それって大事なことですよ!
100曲クラシック=ベストが10枚3000円=
演奏家が無名だからだめって・・・
あなたが知らないだけでしょ。
一般にはそれほど知られてないかもしれないけども、指揮者のヴィトやヴァイオリンのダール。オルガンのリュブサムなど、本当の実力派がそろっているではありませんか。
もともとエイベックスのクラシックはNAXOSレーベルが元になっているから、ここに上げられている演奏者は信頼できるものですよ。
ただやっぱり、ほかの会社から音源買い取って切り取って、CCCDにして自社の製品として売るAVEXの方針はいただけませんね。
惑星(プラネッツ) Ultimate Edition
来年80歳を迎える冨田勲氏は、今こそ仕上げておかねばならないものがあるとこの数年燃えている。それはサラウンドという音楽表現を子供たちに親しんでもらい、その大きな可能性を彼らに開拓してもらうこと。
創作意欲、作品の構築力、技術への造詣の深さは、ますます若手たちを引っ張っている今を生きる芸術家だ。
その大きな記念碑の一つがこの「惑星」。私もCDとCGアニメも当時新鮮だったLDを持っている。はるか過去の作品…と思っていたら、最新の技術を投入し、構成も新たな「惑星」が創造された。
S・ラトルは冥王星を追加したオーケストラ演奏をCD化したが、冨田勲は個人的に親交の深かった糸川博士ゆかりの「イトカワ」を組み込んだ。
戦時末期に米軍の攻撃に対抗する隼戦闘機を見上げていた勲少年。その隼戦闘機の設計者こそ若き糸川博士。やがて二人は出会い、研究者糸川氏の広い視野に共感する冨田氏。60歳からバレエにのめり込み「稽古」に励んだ糸川博士は冨田「惑星」のバレエ版初演の舞台に老科学者役で登場するのである。その他バイオリンの改造に取り組み、メニューインに献呈したりと科学者魂を芸術にも注いだ博士は、本業のロケット開発では不運も重なり、「日本の宇宙開発の父」と言われながら夢を拓き続けた一生だった。その糸川氏に敬意を表する「イトカワ」が創作された今回の作品にはハヤブサの帰還ドラマに重なる人生ドラマに感動する。
*イトカワは糸川博士にちなんだ命名だが、ハヤブサは隼戦闘機をイメージしてつけられたものではないが、後継者たちが期せずして命名したハヤブサがイトカワに着地し、帰還したことは素晴らしい歴史だ。
さて冨田氏の夢であるサラウンド音楽の世界。これは映画サラウンドとは別の芸術体験ワールド。4.0chである意味はセンターチャンネル1chは映画のセリフの画面定位のためのものであるから無しにし、0.1chのLFEも低域効果であることから無しにしているもの。
TACETレーベルも同様の基本概念から4.0を貫いている。さらに冨田氏は宇宙に前後左右はないということから、どちらを向いて聴いても良いと言っている。逆立ちしてもいい!各楽章はホルストの原曲の新創造だが、「イトカワ」はその出発から帰還までのドラマになっている。想像を膨らませて鑑賞していただきたい。
サラウンドは敷居が高いという向きも多いだろうが、以外に格安のセットでも十分に「惑星」を楽しめる。冨田氏も2万円のパイオニアのサラウンドセットがお気に入りだ。文京区のライオンズクラブではこのセットを各小学校に寄付し、サラウンドによる情操教育に貢献しようとしている。実際に冨田氏の名曲「ジャングル大帝」のサラウンドDVDは子供たちに感動と新鮮な喜びをもたらしているようだ。これが全国、全世界に広がってくれれば!と私も切に願う。
現在、ネットダウンロード、PCオーディオへの移行が進み始め、SACDの価値が薄れてきた…さらにサラウンド作品は売れないから…とメーカーは発売を渋りがち。そんな中で発売を決定した日本コロムビアは称賛されるべきだ。この冨田氏の偉業である作品を讃え、彼の夢、後進のクリエーターたちの活躍の場をなくさないように、いや無限の大地であるように応援していきたい。
Canon 双眼鏡10×30IS 2897A001
ライブを二階席から観覧するために購入しました。鳥見、星見には使いません。
結論は、性能的にはたいへん満足です。25mほど離れた舞台のタレントの胸のペンダントの形の確認が出来ましたので十分です。手振れが無いと、長時間連続で見ていても酔うこともありませんのでたいへん楽でした。
欠点は、三脚(一脚)が使用できないことです。長時間連続での使用には必要です。また一脚にベルトで固定して使ってみましたところタレントを追って常に手を添えていると手からの微振動が伝わり、手振れをおこしますので、一脚使用時でも防振は十分メリットがありました。
ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)
「巨人の星」のシリーズ第2弾です。前回明らかにされた、小惑星、冥王星、月、そして人類の起源に続いて、今回は異星人との遭遇がメインの内容となります。
どうしても荒唐無稽になりがちなこのテーマに、著者はバーチャル・リアリティをはじめとしたITの知識を駆使して、ハードSFファンの期待にも答え得るよう仕立てています。
宇宙戦争ものとは一味違う「優しい巨人」たちとの遭遇から、最後は別離という結末を設定して、完結編である次作「巨人たちの星」につないでいきます。