映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」オリジナル・サウンドトラック
映画のサントラは、実際に映画を観てる時に聞くのとは違うことがあるので当たり外れがあるんだけど、目をつぶると観たままの映画の光景が浮かんでくる。
イメージからくる南米の明るいラテンミュージックというより、あくまでも映画の為につくられた曲として、民族音楽を上手く使いながら構成されていると思います。
私は、もうサンタオラージャという人のギター演奏にメロメロです。
夜広大な南米の大地に想いをはせながら聞きたい一枚です。
モーターサイクル・ダイアリーズ コレクターズ・エディション [DVD]
チェ・ゲバラの革命家になる前の話。男二人旅に出るのですが、さすが、チェ・ゲバラ。考えることもスケール大きいなあと。
初めの頃は、二人はもめたりしていましたが、アルゼンチンを出発し、様々な人達との出会いによってある方向に向かって成長していきます。ハンセン病病院に訪れた際は、彼は患者達に誠意的に接し、患者達の心を開きます。こうした、様々な出会いからチェ・ゲバラは革命家を志したのだとわかります。
チェ・ゲバラに関する詳しい説明は、知識不足で出来ませんが、この映画は、チェ・ゲバラ抜きに考えて、ロードムービーとしても楽しめます。南米大陸の文化・風土などが楽しめます。美しい映像が多いです。
また、主演のガエル・ガルシア・ベルナル。初めて見ましたが、うまいですね。映像特典もついててとても満足のいくDVD仕様になっています。
チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記
なにはともあれ翻訳がひどすぎると思うのです・・・。
そろそろ新訳が出てもいい頃なのではないでしょうか。
アルベルト・グラナードの『トラベリング・ウィズ・ゲバラ』がおすすめです。
モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)
素直で人好きのするラテンの若者ふたりが口八丁手八丁で宿と食事を得ながら貧乏旅行をする中で人々の暮らしに触れ、土地の違いを見聞し、国は違っても人間の本質は変わらないんだと学んでいく様子はとても感動的だし、希望が持てます。本人が意識してなのか無意識なのかわからないすっとぼけたユーモアのある文体も楽しい。
ゲバラがこの本に書かれているアメリカ縦断旅行を敢行したのは23歳くらいのときで、だから当然書かれている内容はいかにも若者らしい無茶や未熟、いたずらだったりするんですが、根っこに流れる素直でまっすぐな心、弱者への思いやり、人種や階級や美醜で人を差別しない公正さなどが後に偉大な革命家になる人物を髣髴とさせます。
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]
久々に、本当に良い映画を観たと思います。
歴史的な背景を抜きに、何の知識も持たずに観ても十分に楽しめる作品でしょう。
2人の旅の厳しさ、その一方で垣間見ることのできる若くて奔放な一面。エルネストと友人とのやり取りもまたユーモアに溢れ、話の節々で思わず微笑ましい気持ちになります。
また南米を旅する中で映し出される風景もそれぞれ美しく、無駄なBGMなどがほとんどないシンプルな作りにも好感が持てます。また、スペイン語の独特のリズムと、旅のリズムが、ちょうど歴史の重厚さと絶妙なバランスを保っているように思います。
もちろん、チェ・ゲバラという革命家についてある程度基礎知識をつけて観ればより楽しめるはず。いずれにしても、清々しい気持ちになれる秀逸の作品と言えるでしょう。