Sundown
日本ではメジャーではありませんが、カナダでは英雄的な存在で、「We Are The World」のカナダ版「Northern Lights」のトップはこの人が歌っていました。(この曲のプロデュースはデビッド・フォスターです。)
1970年代のアコースティックブームでジョン・デンバーなんかと同時期にヒットを飛ばしていますが、全然別傾向で、大人の苦みばしったフォークソングで、一度聞くと病みつきになってしまいます。
このアルバムは、彼のまさに絶頂期のアルバムで、すべての曲の完成度が高く、聞き応え十分です。できるならその詩の世界を堪能してほしいです。
Gord's Gold: Greatest Hits (Rpkg)
リプリーズに移籍後の6枚のアルバムと、キャピトル時代の名曲を集めたお買い得なベスト盤。LP時代は2枚組で、1枚目のキャピトル時代の名曲の再録音。2枚目にリプリーズ時代のアルバムから各2曲がピックアップされていました。(ヒット作「サンダウン」のみ3曲、そのあおりで「なつかしのダン」からは1曲のみの選曲になっています。)聞き所は、1枚目の再録音曲。1の「アイム・ノット・セイン」や5の「フォー・ラビング・ミー」9の「アーリー・モーニング・レイン」といった多くのフォークシンガーにカバーされた名曲が、作者自身の歌声で録音されています。初期のレコーディングに比べて、演奏もボーカルも優れた出来になっており、なかでもカナダ鉄道敷設の歴史の中に埋もれた数多くの一般人のことを歌い上げた3は白眉の仕上がりになっています。残念なのはCD化に伴いオミットされた「8番街の出来事」。これも初期のバージョンに比べて、かなりクリアな音になっていただけに、再録音曲はすべて残して、リプリーズ時代の曲をカットできなかったのかなあと思ってしまいます。(どちらにもいい曲が多いので、1枚に収めるのが大変なんですけどね、、)このアルバムは、「サンダウン」のヒット後「人生は冬の日」を発表した後に発表されたため、その後に発表された「エドモンド・フィッツジェラルド号の難破」といったヒット曲は含まれていません。このアルバムの数年後に「ゴーズ・ゴールド2」という同じコンセプトの再録音CDが出ていますが、こちらの方は総じて再録音版の方の出来が悪く、彼のキャリアのピークはリプリーズ移籍後から「エンドレス・ワイアー」あたりまでだったのがよくわかります。(正確に言うとその前の「夏の日の夢」までなんですが、「エンドレス・ワイアー」は「夏の日の夢」のアウトテイク集のようなものなんで、あえてそうしました。)このアルバム、ぜひ再録音曲を中心に再編集して欲しいものです。)
ベスト・オブ・ゴードン・ライトフット
今年で齢50になる俺がまだニキビ面の美少年?だった頃。レコード雑誌で見た「カナダの吟遊詩人」という言葉につられて買ったLP「sundown」のゴードン・ライトフットのベスト盤。どちらもCDのない時代、LPだったけど。あれから40年近く経ったが、今聞いても泣ける、震えるフレーズがある。ニキビ面の中坊から還暦過ぎのオヤジまで、男なら聞け、泣け。