復讐捜査線 [Blu-ray]
☆本作の監督であるマーティン・キャンベルが1985年に彼自身が手掛けたBBCのTVシリーズ『刑事ロニー・クレイブン』を基に、一筋縄ではいかない予想を上回るストーリーテリングと、ただならぬ圧迫感が漂う、怒涛のサスペンスをたっぷりと盛り込んだ見応え満点のハードな復讐劇に仕立てた。主演は『マッド・マックス』、『リーサル・ウェポン』の超有名な二大シリーズでお馴染みの大スター、メル・ギブソンだが、約8年ぶりの本格的な主演作であり、俳優業に完全復帰した。思えば長いブランクがあった。彼はアカデミー作品賞の史劇大作『ブレイブハート』や、イエス・キリストを題材にした『パッション』サバイバル活劇『アポカリプト』等の作品を発表し、監督としても才気を発揮したが、やはりメル・ギブソンは、こういうアンチヒーローが一番似合っている。劇場で観賞した時には思わず、お帰りなさい!待ってました!と呟いてしまった自分がいた(苦笑)。プライベートでは、離婚やら不倫疑惑、奇行、差別発言問題などで、ゴタゴタ続きだったらしい。ゴシップはあまりよろしくないが、さぞや奈落の底に突き落とされた気分を味わった事だろう。可哀想に…。その事が響き、ヒットの見込みはないと判断され、果たして日本で劇場公開されるかと心配されたが、どうにか公開される運びとなったようです。筆者的には実に喜ばしい朗報でございました。ただし、充分な宣伝期限がなく唐突に公開されたのは残念。しかし、メル・ギブソンの適材適所なハマり役とも言える敏腕刑事に扮して、久々にエネルギッシュな活躍ぶりを披露してくれたのは嬉しい。だからといって単なる犯罪アクション映画ではない。ボストン警察の殺人課に勤務するトーマス・クレイブン(メル・ギブソン)の元に、ワシントンから愛娘エマ(ボヤナ・ノバコビッチ) が帰省。どうも体調がすぐれないらしい。その娘を病院に連れて行こうとした矢先、エマを自宅の玄関で何者かに射殺されてしまう。警察側はクレイブンを狙った者の犯行だと考えていたが、その推理に疑問を感じたクレイブンは独自に強引な捜査を進めていく。そして、エマが遺した拳銃を手がかりに、事件とエマが勤務していた原子力関連エネルギー企業、ノースモア社の関係を疑うクレイブン。そこには国家の安全保証にまで影響を及ぼす巨大な陰謀が絡んでおり、クレイブンはエマがノースモア社の重大な秘密をインサイダー(告発)を計画していたと知る。すなわち核兵器の密造である。真相を把握したクレイブンはノースモア社が放った刺客の襲撃や裏で手引きをしている政治家の圧力、罠、妨害をものともせず、満身創痍になりながらも、全身全霊の死力を振り絞り、黒幕の待つ敵地に壮絶な殴り込みをかける!。という、内容であるが、娘を無情にも葬り去られた刑事の父親が執念を燃やし怒りのリベンジに挑むだけの単純な設定に収まっていない所がこの作品の褒めるべき長所であり、事件の背後に政財界や大企業か綱を張る趣向は身の毛がよだつ恐ろしさがあるうえに、その徹底的な暴力タッチの描写と誤魔化しや中途半端が全くないキチンとしたディテールは認めるに値する。株式会社スティングレイ様から発売されるTVシリーズ版『刑事ロニー・クレイブン』は幸運にもNHK放送で観る期待に恵まれたが、前代未聞の面白さと抜群のサスペンス巨篇と折り紙をつけたい驚異の傑作だった。それでも『復讐捜査線』はTV版に負けず劣らず、上出来な仕上がりで、娯楽主義がご専門のハリウッド映画とは思えないぐらいにキワドイ領域へ迫った骨太のお膳立てには少なからずともビックリさせられる。これは英国出身のマーティン・キャンベル監督の豪快かつあざやかな演出手法のオカゲと言っても過言ではない。とりわけメル・ギブソンのワイルドな根性ぶりには戦慄を覚える程の殺気と凄味がある☆。
スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐 [DVD]
アナキン篇の最終回。これで、彼がダース・ベイダーになった理由が明らかに・・・なっているはずなのですが、いまひとつすっきりしませんでした。
パドメの最後を予知し、死者を蘇らせるというフォースの暗黒面にひかれていくのはわかります。そして口車に乗せられてジェダイの一人を死なせてしまう。
・・・ひどく後悔しているようだったのに、なぜかそこですぐにシスに忠誠を誓ってしまうのですねアナキン君は。
「とんでもないことをしてしまった!」という絶望に、暗黒面がうまくはまり込んでしまったのでしょうか。
で、その後は坂道を転がり落ちるかのように。。。
いろんな状況が重なり合って必然的にダークサイドに落ちていってしまう・・・というより、「ダース・ベイダー」という結末が決まっていて、そこに無理やり引っ張って行ったという感じなのです。
どうあっても悲劇にしか終わらないエピソード3でしたが、ルーク篇への希望を持たせたラストになっています。
エピソード4がまた見たくなりました。あの戦いを生き抜いたロボットたちやチューバッカたちのその後、そしてルークやレイアをやさしく抱きしめた育ての親たちの運命・・・そんな目から見ると、また違った発見ができるような気がします。
大阪豆ゴハン(6) (講談社漫画文庫 さ 8-6)
待望の文庫版完結おめでとうございます。ファンの悲願がかないました。しかし念願かなったのに最後のキャンペーン広告にて日付がデタラメ(誤植?)なのはファンなら黙っていましょう。どうせ今年すぎれば誰も分からないはずですから(でも軒並み売り切れているので意外と早く修正されたりして)。内容は大阪人の些細な日常が淡々と描かれている漫画です。なにが面白いのかと問われると説明に困るけど、それでいいと思います。