Big Lad in Windmill
アルバム3枚を残して消えた、イギリスのイット・バイツの1st。1986作
コマーシャルな大衆性とテクニック、そして内にひそめたプログレな感覚を
センスよくまとめて音に詰め込んだおそらく最初のバンド。
キャッチーでポップなメロディをプログレ的感性のアレンジでコンパクトにまとめ、
全体として2nd「ONCE AROUND THE WORLD」の完成度には及ばぬものの、
すでにこの時点で方向性が決まっていたというところが凄い。
個々の演奏力はもちろん、この時代のバンドとしてはしっかりとした商業意識をもっていた
ことが伺えるサウンドで、「ポップ=軟弱」という認識を覆すだけのクオリティ。
もしかしたら現代プログレバンドの影の立役者はこのバンドだったのかも。
伝説のチャンピオン ~アブソリュート・グレイテスト(初回限定スペシャルプライス)
今回のベストは決して安売りではないと思う。
なぜならここ10年でリリースされた4枚のベスト盤、ジュエルズの2枚とイン・ビジョンの2枚は日本独自企画盤だったからだ。
つまり世界的に見ればクイーンのベスト盤はグレイテストヒッツ3以来10年振り位のはず。
ボーン・トュ・ラブ・ユーのクイーンバージョンは日本以外ではシングルにもなってないので世界を視野に入れたベスト盤では入ってないのは当然です。しかしクイーンにはボーン・トュ・ラブ・ユーを超える名曲がいくらでもあります。
このアルバムに収められてる曲ですらその名曲のほんの一部。
ですが今回のアルバムはかなり良い選曲してると思うし確かに入門編としては最適だと思います。
Once Around the World
某雑誌がルックスの良いイエスのようなプログレバンドと宣伝していたのを思い出すイットバイツのセカンドアルバム、このアルバムを初めて聞いたときに、イエス以上に叙情的な曲の完成度の高さに非常に驚かされた。捨て曲がなくアルバム全体が良い曲で満たされている。シングルになった「キスライクジューダ」や「ローズマリー」のようなハードロックのリスナーに受け入れられる曲もあれば、「オールドマンとエンジェル」やタイトル曲のようなプログレ風長尺曲もあり、幅広い層にアピールできる音楽が並べられている。個人的に好きな曲は「ハンティングザホエール」でホワンホワンとしたシンセと悲しげなコーラスを聴くと気持ちが18年前にタイムスリップしてしまうようで、僕にとっては絶対に手元から手放せない愛聴盤だ。このアルバムのプログレ的な音楽性を方向づけたのはキーボードのジョンベックだったらしく、フランシスのハードロック指向とは意見が分かれてしまい、次作はややハードロック的なアルバムにシフトしてしまう。もう1枚くらいこのスタイルで作ってほしかった。フランシス以外のメンバーは今何をしているのだろう?
ザ・トール・シップス(限定プレス盤)
“たられば”はなしにして・・・
一聴するとエッジが弱い印象ですが、過去のアルバム同様にメロディーラインが耳に残ります。何度も聴きたくなるクオリティーの高い曲ばかりで、演奏は言うに及ばず気持ちよい。今後も分解することなく何枚もアルバムを発表してほしいと望む稀有なバンドです。来日を切に望みます。