アイ’ムホーム 遥かなる家路 DVD-BOX
大変いいドラマです。笑いの要素もあり、シリアスでもある作品です。さらに役者の演技力が光り、BGM、ライト等も効果的で、かつ、仮面や砂といったアイテムでこのドラマのメッセージを伝えています。大変いいドラマでしたので、DVD待っていました。嬉しいですね。
お金の思い出 (新潮文庫)
とても読みやすい自伝エッセイでした。
著者のことは、『ブラック・ジャック創作秘話』という漫画作品の中で知りました。
締め切り追われる編集者が素手で壁に穴を開けたというエピソードが出てきます。当時、手塚プロにいた著者がそのシーンを目撃したというのですね。
女性で、手塚プロにいたというのに興味を惹かれました。
この本は、著者が14歳の頃父親の会社が倒産し、夜逃げのようにして家を移ったことから始まります。
そこから、漫画家になりたいという夢を叶えるまでが綴られていくのですが、ユニークなのは話題が”お金”だということです。
手塚先生の漫画に傾倒し、憧れの手塚プロに入社し、雑誌の懸賞で佳作となり自作を掲載するようになるまでが前半で、後半は手塚プロを離れてからの話になります。
この間、どういう働きぶりで、どれくらいの給料をもらって、どういう暮らしぶりであったか、など包み隠さずお書きになっています。
貧乏であったが為に、我慢を余儀なくされたり、漫画を描くために引越しをしたのに意欲が湧かなかったり、多分多くの人が同じような思いをされたことがあるのではないでしょうか。
一番最初にこの本を手塚治虫先生に見せたかった、という言葉で締めくくられています。
お金には苦労されたようですが、素晴らしい仲間、素晴らしい時間を持つことができた方だと思います。
読者を元気付けてくれる本だと思います。
赤ちゃんが来た
11月に予定されていた子供の出産に向けて勉強をしたいと考えて読んでみた。子育てシロウトの父親にとっても面白く、楽しめながら育児を学べる良書だと思う。時代が若干古く、漫画家という一般的ではない職業の方の生活なので、自分のような個性のない普通の家庭にはなじまない面があるが、育児グッズの分かりやすいイラストの説明や本音で言いにくい育児や性についても事柄をズバッと言い切る文章には非常に説得力があり、本書の大きな魅力だと思う。本格的な育児書ではとっつきにくいと考えている私のような新人パパにお勧めです。実際に分娩に立ち会って、本書で書かれている内容が本当だったことを知りました。
赤ちゃんが来た (朝日文庫)
この本を読んで、私は、自分が、いかに女性についても、赤ちゃんについても、自分が何も知らないかを知った。妊娠と出産を通じて、女性が、その体と心にどの様な事を経験するかを知る為に、全ての男性に、この本を読まれる事をお勧めする。特に、医学生と看護学生に、この本を読む事を勧めたい。ただし、この本の文章は、読んで居て、少し疲れる。恐らく、この本を執筆した当時の著者の高揚した気分が反映されて居るからだと思ふが、その点で、私は、続編の「コドモ界の人」の方が、ずっと好きである。又、非常に細かい事を言って申し訳無いが、この本の中で、著者が、北朝鮮を訪れた時、平壌の地下鉄の中で見た親子の光景を回想する部分には感心出来無い。この部分で、石坂さんが、読者に、北朝鮮が「普通の国」であるかの様に印象ずけようとして居ると感じたのは、私だけだろうか?--私は、石坂さんの様に、子供を愛する人にこそ、北朝鮮で飢餓に追い込まれて居る子供たちの事を考えて欲しいと思ふ。実際、続編の「コドモ界の人」では、石坂さん自身、北朝鮮で見た事について、批判的に成って居る。--こう言ふ箇所が有る事は残念であるが、全体としては、もちろん、非常に愛すべき本である。多くの人に読まれる事を願ふ。
(西岡昌紀・内科医)