アポロンの地獄 [DVD]
とにかく嬉しい限りです。まさかパゾリーニのDVDが再販されるとは!!!!
大きな鳥と小さな鳥、アポロンの地獄、奇跡の丘、テオレマ、豚小屋、ソドムの市、王女メディア (個人的に好きじゃありませんが)、ここらへんやっぱりパゾリーニを本格的に楽しめる作品ですね。
この作品は、母親に対する愛情、父親に対する憎しみ、パゾリーニ自身と重ねてる部分が結構あると思います。荒々しい原始的な美しさも素晴らしい。パゾリーニみたいな監督は今後もなかなか現れないだろうから、本当にもうちょっと長生きして欲しかったですわ。
華やかな魔女たちの吹替え版も是非DVD化して欲しい。
アポロンの地獄 ニューマスター版 [DVD]
この映画は17のとき(1970)、がらがらの海に近い映画館で見ました。10年ほど前渋谷のユーロスペースでパゾリーニ特集の際、なんだかつまらなそうな様子のの若い人たちに混じって見ました。この真の芸術映画立ち会える人は(日本では)DVDも高価で取引をされていて、一握りの選ばれた人だけだたのですが、ニューマスター版がでて買いやすくなってもそれは変わらないでしょう。まず音楽がすばらしい、ケチャ、日本のお神楽,ロマの演奏、等等・・・当時ロックが映画に使われて話題になっていたころに、はるかかなたの音楽世界を荒れ果てた乾燥地帯(モロッコでのロケ)の風景と古代ギリシャ、テーベのエディス王の血の臭いが連想させられる。そしてさすが60’のイタリア、とにかくアクセサリーと衣装のすばらしさはすべてを被い尽くしています。この映像芸術に立ち会える幸福に選ばれた一人であることをパゾリーニに感謝したい。
鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ 3枚セットDVD ~生誕90年特別限定セット~
「アポロンの地獄」はイマジカ(パイオニアLDC)から初DVD化されたときのものを所有し、「豚小屋」はイマジカ盤をSPO盤に買い替え、「ソドムの市」はSPO盤(オリジナル全長版)を買って視聴したものの、そのあまりに呪われた内容ゆえに手放してしまいました。しかし、パゾリーニ映画祭で実行委員長を務めた大島渚監督の「難解な作品はまた見たくなる」のとおり、また見たいと思っていた矢先、いかにも妖しげなパッケージで、しかも単品販売せずにボックスの中の1本としてひっそりとカタログ化されていたのに飛びつき購入しました。画質については、SPO盤も良かったのですが、今回のもかなり良いほうだと思います。ただし、旧盤では無修正でバッチリ映っていた部分が、ほとんどボカシが入っています。無修正版でも局部などは作り物然としていてちょっと拍子抜けしましたが、ボカシでもまあしょうがないと思います。
「アポロンの地獄」と「豚小屋」は画質が大変素晴らしいです。特に「豚小屋」はシンメトリーの構図も美しいですが、画質がとてもキレイです。欲を言えば、音声がイタリア語だけなので、英語音声も入れてほしかったです。