木立のなかに引っ越しました
都会で一人暮らしをしていた女優・高木美保が、体調を崩すほど忙しい生活の中、ある日仕事で訪れた渓谷。すっかり忘れていた大切な思い出が胸によみがえる。都会を離れる決心をし、那須高原の木立ちのなかにこころから安らげる場所を求め、両親と十年ぶりに同居。緑のなか、畑仕事に汗し、山の温泉で、人々とふれあい、こころの中には潤いが・・・・。
生かされている私 --ナチュラリストの幸せ
高木さんの書く文章のツボが良いのか、読ませる出来でスラスラとページをめくってしまいました。
スラスラと読んでしまう私もナチュラリストという点において飢えてる面もあるのかなと思いました。
なんだろう。田舎に住んでるだけってのがポイントなんじゃなくて、心の中の意識の問題。
都会の雑踏で日々の生活をしてる人が緑溢れる田舎に訪れた時に感じる開放感みたいな感じ。
そういう気持ちを読むだけで感じさせてくれる様な内容の本になってます。
持ち運びしやすい小さいサイズの本です。
木立ちのなかに引っ越しました (幻冬舎文庫)
田舎暮らしがしてみたいといっても、実際にやってみると大変だと思います。その点高木さんは、田舎の良いところだけをつまみ食いしている感じですね。別荘でずっと暮らしている感じでしょうか。都会の生活と田舎の生活の折衷といった印象です。これじゃないと続きませんよ。対して、はた万次郎氏の「北海道田舎移住計画」はディープな田舎暮らしで、都会人にはとても我慢できないと思います。田舎暮らしを目指す方は一読してはいかがでしょうか。エッセイであり、ハウツー本ではないのであまり参考にならないかもしれませんが。
Wの悲劇 [DVD]
薬師丸ひろ子、という女優は、30代以上の
ある世代にとって「特別な存在」であるように思えてならない。
スクリーンでしかお目にかかることができず、
(実際、20代の彼女は、テレビ出演が極端に少なかった)
その儚い歌声と美しい立ち姿、独特の空気をもった存在感。
そして、ほとんど何か憑いてるんじゃないか、と思える演技。
この「Wの悲劇」はその「憑いてる」感が特にはっきりしていた
作品だと思う。「顔ぶたないでよ!あたし女優なんだから!」
この台詞は、当時映画CMとしてテレビでもラジオでも
流れていたが、そのインパクトといったら。
それから、彼女自身が歌っていた主題歌も本当にいい曲だった。
行かないで、そばにいて、と歌いながら、実は、映画では
行ってしまうのは彼女。笑顔で、スカートをお姫様のように広げて。
あなたは女優。私たちの特別なひと。今でも。